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啓蟄の連雀


キレンジャク (スズメ目レンジャク科/Bohemian Waxwing)
3月最初の週末、6日の日曜日は二十四節気の啓蟄。週後半に戻り雪が降った
が、土曜日の好天ですぐに消えた。海岸線をレンジャクが渡る時期になり、様
子を見に向かった。

防砂林のアプローチを歩けば奥からチリリンの鈴の音。おっと、レンジャクが
いるな。双眼鏡を当てるとヒレンジャクの群れを見つけた。すぐに飛んで林の
外に向かって移動した。20羽ほどの群れはヒレンジャクとキレンジャクの混
群だった。群れを追って林を出ると、ヒレンジャクが道の水溜りに下りて給水
した。給水は短時間で行い、すぐに別のヒレンジャクと交替する。ヒレンジャ
クが終わるとキレンジャクに代った。給水中のキレンジャク。

給水が終わると一斉に飛んで、林の中に紛れてしまった。浜沿いにレンジャク
を探しながら歩けば、ハングル文字の伝間船が打ち上がっていた。ひょっとし
て北朝鮮からの密航者かと、不穏な考えがよぎる。ほどなくレンジャクの群れ
を見つけた。接近するも、逆光見上げで条件整わず。そのうち群れは西に飛ん
で見失った。

戻りがてら、松の木に付くマヒワの群れを見つけた。松ぼっくりを開いて中の
松の種子を器用に取り出して食べる。背中側はこんな感じ。もう1カット。

気温が上がってポカポカ陽気。もうしばらくこの海岸で過ごそうと決め、近く
のスーパーでオニギリを買ってきて昼飯にする。食後は林の西側を散策する。
500mほど歩いてレンジャクの群れに再会。防砂堤の縁に出てきていた1羽
のキレンジャクが接近を許してくれて大写し。こちらのキレンジャクは冠羽が
長い。熟したハイネズの実を食べる。

こちらはヒレンジャク。今回の群れはヒレンジャクの方が多い。ハイネズの枝
中に潜り込んでは実をくわえて上がる松の枝で休憩。ときどき見晴らしのよ
い枝に出てきて周りの様子を伺うポートレートカット。気温が急激に上がり
すぎて陽炎が強く、写真はいまひとつだった。

群れが再び東に動いたのを契機に引き上げる。アプローチ道の近くに群れがい
たので帰りの駄賃で何枚かシャッターを切る。じっと立っていると、目の前の
木にヒレンジャクが止まった。このカット、ヒレンジャクの羽根模様が分かり
やすい。

海は少し波が出て、爺さんが孫と二人竿を立てていた。焚火で暖をとりながら、
爺さんと少年はどんな会話を交わしているのだろう。

さて、豊岡盆地に戻るとコハクチョウ10羽が我が家近くの田んぼで餌を採っ
ていた。翌日にはコハクチョウ23羽が同じ田んぼに来ていた。彼らの旅立ち
も近い。

【撮影データ】 05/Mar/11 箱石海岸 D90+VR300F2.8