水路沿いでヤマヒバリが確認されたのが1月8日。好天も手伝って猛禽目的で 集まった沢山の野鳥カメラマンたちの目が見つけた。目が増えると一人では見 えないものも見えてくる。 確認から1週間が経った日曜日、大雪警報の出る豊岡盆地は50センチオーバ の積雪。さすがにこんな日にフィールドに出るのは地元の仲間くらいだ。水路 の側壁は雪が積もらないから、大雪のときには鳥たちの貴重な餌場となる。 これか?と思ったのはツグミ。なんせ、見たことのない鳥なのでイメージが湧 かないのだ。大きなのが壁にへばり付いていた。キジ♀だ。水路の上では、時 おり強まる風雪をしのぎながらハシブトガラスがまったりしていた。 水路を行ったり来たりしながらようやく見つけた。これが噂のヤマヒバリだ。 降雪の中、ぼやけたコントラストで見たヤマヒバリはホオジロ♀のように見え た。しかし明らかにホオジロやヒバリよりも小さく、スズメ大の体長である。 情報によればヤマヒバリは2羽いるとのことだった。最初の1羽を見失った後 に現れたヤマヒバリは、尾羽先端が乱れているのが特徴。確かに2羽のヤマヒ バリを確認できた。 シベリア生まれで、中国・朝鮮半島で越冬する。日本への飛来は稀れ。ヒバリ と付くが、山地性のイワヒバリ科の仲間。外観の特徴は黒頭巾にバフ色の眉斑。 背中はスズメっぽい感じだが、首周りと雨覆に青灰色が入るのが特徴。コケの 上でしきりに餌を探すこのポーズでは、雨覆先端の白斑が明瞭である。上から の覗き込み撮影なので、なかなか下面が見えない。このヤマヒバリが総合的に 図鑑カットとしてよさげである。トップ写真は偶然撮れた飛び出しもの。 水路にはジョウビタキも来ていた。ヤマヒバリと同じようにコケの中を漁って いた。こちらは普通のヒバリ。雪に落ちた実を大事そうに食べていた。 大雪のお陰で、地元の仲間同士じっくりこの珍しいお客様と向き合うことがで きたのは良かった。貴重な情報を頂いたバーダーの皆さんに感謝する。 【撮影データ】 16/Jan/11 六方田んぼ D90+VR300F2.8 |