盆地内の湛水田は厚い雪のシャーベットに覆われ、餌の採れなくなった水鳥は 川へと集まる。円山川の人工浅瀬では百合地のコウノトリが餌を漁っている。 まわりでタゲリがミャーミャーと鳴いている。その上空をミサゴがパトロール 飛行してゆく。 大雪で姿を見なかったコハクチョウが円山川上流から現れ、六方田んぼを旋回 して雪の田んぼに降りた。チェックに行ってみるとコハクチョウ6羽は顔を出 した二番穂を頼りに餌を求めているようだった。一部の湛水田では雪が割れて 水面が現れており、左足に怪我を負っているらしいハシビロガモ♀が餌を採っ ていた。 仲間が六方川でトモエガモを捕捉していた現場に向かう。餌が採れる水辺には 鳥が集中する。カモたちは陸にも上がって、雪を掘って土手の草を食べている。 見通しのよい場所に出てくるまで待機。その間、クイナを見つけた。次の瞬間 短くクイナが飛んだ。クイナが飛ぶところは初めて目撃した。 ようやくトモエガモが動いた。巴の顔模様が特徴の♂が2羽。間にコガモ♂を 挟んでいるのでトモエガモのサイズが分かりやすい。5羽のトモエガモが固まっ た。♂2羽と♀3羽。♀の特徴はくちばし基部の白い斑点。コガモ♀との識別 ポイントになる。 猛禽が上空を飛んだのか、カモが一斉に上流に飛んだ。少し下流に出ると、別 のもう1羽のトモエガモ♂がいた。(トップ写真) 先の5羽と併せて雌雄3 羽ずつの群れのようだった。トモエガモの後ろを2羽のバンが動く。 トモエガモの正面顔はかなり笑える。やがてこの1羽も上流へ飛んで行った。 マガモ、オナガガモにシャッターを切る。狭い六方川にオナガガモが入るのは 珍しい。 別の水路ではヌートリアが目の前で交尾を見せた。ネズミだけあって、いつで も発情するのだろう。短い交尾が終わるともう1頭が現れ、3頭が寄り合った。 どうやら親子のように見えた。 夕闇が迫るとハイイロチュウヒ♀タイプが飛来。土手に沿って低空飛行し、そ のまま飛び去った。飛翔中の下面。 コミミズクも飛び始める。土手に沿って飛ぶ。コミミズクの餌場には止まり木 が何本も立てられ、そこにコミミズクが止まるのを1日中待っているカメラマ ンが目に付くようになった。一昔には無かった光景だが、節度と良識を持った 人たちの集まりであることを願う。一休みするとコミミズクは暗がりの中へと 飛び出して行った。 【撮影データ】 03/Jan/11 豊岡盆地 D90+VR300F2.8 |