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集団越冬


トラフズク (フクロウ目フクロウ科/Long-eared Owl)
年末に1羽のトラフズクを確認した。彼らは集団越冬するから、いずれ再会で
きると思っていた。大雪が奏効して、思いのほか早い再会が叶った。今回観察
したエリアでは、少なくとも3羽のトラフズクが集団でねぐらをとっていた。

昼間は込み入ったヤナギの中で寝ているので、発見はなかなか困難である。
見つけてしまったので、今日1日だけは遊んでもらうことにした。夜行性のト
ラフズク、日中は木に同化して眠っている。近づけば当然目を開ける。我慢の
限界を越えると飛び出して、別の藪の中に逃げ込んでゆく。このような状態で
日中に枝止まりすることはまずない。

飛びモノを何カットか撮らせてもらった。アップストローク、頭を少し上に持
ち上げたダウンストローク正面飛び旋回中の上面。これまでまともな飛翔
写真が撮れなかったので、今回はよい記録が残せた。眠りの邪魔をしたのは申
し訳けなかったと思う。

夕刻に再訪すると、トラフズクの狩りが始まっていた。獲物の気配を察知する
と音もなく飛び出して雪上に足を突っ込むが、舞い上がった足は何も掴んでい
なかった。短いインターバルで、次のダイブを試みた。カラスのモビングを受
けているから、きっとネズミを掴んでいるのだろう。人が寄るとカラスは散り、
トラフズクはその場を動かない。爪の先で雪中のネズミと攻防戦を繰り広げて
いるのか。固唾を呑んで次の瞬間を待った。舞い上がった。獲物は無かった。

まだ明るいうちに狩りを始め、しかも失敗を繰返すトラフズクは狩りの経験が
浅い子どもなのかも知れない。一冬過ごす頃には、一人前の狩人になっている
だろうか。3シーズンぶりの円山川へのトラフズクの飛来。さて、いつまで居
てくれるだろうか。

※1/23に1羽を確認したのを最後に姿を見ない。その後の大雪で別の餌場へ移
動したものと思われる。

【撮影データ】 03/Jan/11 円山川 D90+VR300F2.8