9月第2週末、晩酌を辛抱して夜遊びに出る。フィールドでは真っ先にムツト ゲイセキグモに向かう。いつもの個体に相手になってもらう。卵のうを守りな がら今宵も投げ縄猟を始めている。 最初5つ玉をぶら下げていたが、一定時間過ぎると粘着力の落ちた網を回収。 引き上げて食べてしまう。しばらくして、今度は4つ玉を下げた。 狙っている蛾が寄ってこない。手持ち無沙汰にライティングをいろいろ変えて みる。これまでの撮影方法では、コーン状の側面がうまく表現できなかった。 玉の軌跡は十分なのだが、ラインの軌跡も一緒に出すには光のコントロールが うまく行ってなかったのだ。 よぅやく、最初に描いた絵コンテに限りなく近い撮影ができるようになった。 ここまで仕上げるのに3年掛かったことになる。 大振りするとラインの軌跡は弱くなる。トップ写真は、橋糸にガガンボが引っ 掛かった様子。もがいているうちに脱出に成功して逃げて行った。最終イメー ジは、この写真で、ガガンボの代わりに蛾が飛び込んでトラップされる瞬間だ が、どうやら今シーズンも撮れそうもない。 連れの呼び声で移動。ムツトゲの産卵が始まったという。この個体の5個目の 卵のう作り。今宵のハイライト、じっくり拝見することにする。 ・まず産座用のネットを腹の下に出す ・産卵は上に向かって行う ・どんどん卵を産みつけてゆく ・すべて産み終わった状態 ・卵を殻でくるんでゆく 最後まで観るのはヤメにしたが、最終的に茶色い卵のうを葉裏にぶら下げて産 卵を完了する。 ナガコガネグモは大型のミイラ蛾に向かっている。ヌサオニグモは相変わらず カメムシ汁を吸っている。トリノフンダマシは高い位置で大網を張っていた。 葉裏にはこの個体の卵のうがあった。オオトリのフンダマシも卵のうを守って いる。 アカイロトリノフンダマシの網に気づかず切ってしまった。大概が網に出てい るシーンのアカイロトリノフンダマシ、緑の葉っぱとのコントラストで見ると、 美しさが際立つ。 日中の残暑も夜には解消されるようになった。葉上で眠るヤマトシジミ。 夜涼に、暑く長い夏の終わりを感じる。 【撮影データ】 11/Sep/10 豊岡市 SP90MACRO |