トップろっぽうフィールド日記>このページ

酷暑に巣立つ


コウノトリ (コウノトリ目コウノトリ科/Oriental white stork)
8月最後の週末、残暑は一向に手を緩めることなく豊岡盆地を灼熱に燃やす。
お昼前の1時間、百合地のKさんと一緒に巣塔のコウノトリ観察で過ごす。
ジャンプの高さも2.5mほどになった。1羽が始めると釣られて別のヒナも
ジャンプを始める。シャッター音が一斉に響く。

親が給餌にやってきた。餌をねだるヒナも、自立の試練が目の前に迫っている。
それにしても、百合地ペアの子育ては見事なものだった。第2クラッチという
悪条件に加え、酷い暑さと闘いながら3羽を無事に育てあげたのだ。これはも
う大拍手である。

翌朝、いつものように巣塔横の農道を巡回。しきりにジャンプを繰返している。
トップ写真を撮って現場を離れてすぐ、1羽目が無事巣立った。続いて午前中
に2羽目も巣立ちを迎えた。

3羽目の巣立ちが気になって午後から現場に向かう。2番目に巣立ったヒナが
巣塔に戻っていて、3番目に巣立ちを促しているようにも見えた。やがてコン
バインが巣塔の下に近づき、2番子が再び飛んだ。3番子もこれで飛び出すか
と思ったが、コンバインをちょっと警戒しただけ。

2番子は巣塔を中心に周辺を長く飛び回った。空を飛べる喜びを確かめるかの
ような、そんな飛び方だった。コウノトリの壁画と重なった瞬間。

辛抱できずに現場から離れた直後、巣塔の3番子も無事巣立ちを迎えた。
熱い夏の六方コウノトリ物語はこれにて閉幕。

【撮影データ】 28-29/Aug/10 六方田んぼ D90+VR300F2.8