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お盆の夜遊び


サツマノミダマシ (コガネグモ科)
夜遊びシリーズ第3弾。昼間は暑くて観察どころではないので、夜遊びへのシ
フトが進行中。前回の8月7日は爽やかな夜で気持ちよかったが、今回の夜遊
びは猛烈に蒸し暑かった。おまけに夜露で全身ベトベト。

いつものように巡回を開始。シロオビトリノフンダマシが目に付く。気をつけ
ないと、広く張り出した網の道糸を切ってしまう。は極めてルーズなものに
見えるが、粘性は他に蜘蛛のものに比べて高い。こちらはトリノフンダマシ。
トリノフンダマシ属の粘性の高いルーズな網が進化して、ムツトゲイセキグモ
の「投げ縄」になったとされる。

コゲチャオニグモは丸々と太った。サツマノミダマシはカメムシを捕食中。
ワキグロサツマノミダマシの餌もカメムシ。

前回見つかったゲホウグモ、この夜は行方不明。連れの話によれば、12日の
夜にゲホウグモの産卵シーンが観察されたとのこと。産卵したサザンカの葉裏
にはゲホウグモ卵のうが残されていた。白い綿帽子の表皮に橙色のベールがか
かり、底には謎の突起物がぶら下がっている。逆さに見れば火のついたロウソ
クのようにも見える。近くにいたクサグモ。

さて、今宵のムツトゲイセキグモ。12日の夜に産卵した1頭は、卵のうを1
個守っていた。動きは緩慢で、2卵目を産もうとしていたのかも知れない。
別個体の投げ縄撮影を繰り返しながら、獲物の蛾の飛来を待つ。

 

 
蛾が絡んだシーンは2度あったが、どちらも捕獲には到らず、写真も思い通り
にならなかった。次の機会に狙おうと思うが、どうもうまく行きそうにない。
卵のうを守っている個体が、遅くになってから投げ縄をぶら下げた。ちょうど
粘玉づくりの観察ができた。橋糸に下げた別のラインの先端に玉を作る。長さ
を短くした別のラインにも粘玉を作り、それぞれのラインを1本に束ねること
で、強度を持った、この場合2つ玉の、投げ縄が形成されるのである。

蜘蛛以外の撮影:
シロヒトリ
オオミズアオ
ベッコウハゴロモ
アマガエル

汗と夜露でベトベトになりながら、この夜は1時前に撤収。

【撮影データ】 14/Aug/10 豊岡市 D90+SP90MACRO