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ここは熱帯雨林か


コウライウグイス (スズメ目コウライウグイス科/Black-naped Oriole ) が鳴いている
竹野スノーケルセンターの本庄センター長よりビッグニュースが飛び込んでき
た。コウライウグイスが来ているという。兵庫県でのこの迷鳥の飛来は86年、
99年に記録されているが、いずれも竹野町で本庄氏が確認したものである。
今回が彼の11年ぶり、3度目の記録。こうなればもう、ミスター高麗鶯の称
号を与えようではありませんか、みなさん。(鳩山風)

竹野海岸の照葉樹林は、様々な渡り鳥をかくまってきた。思いもよらない迷い
鳥の飛来をキャッチできるのも、本庄氏の長年のキャリアによるものだ。竹野
のコウライウグイスの過去の観察記録は録音だけに終わっている。今回はぜひ
その姿を写真に収めたい。本庄氏ともども、そんな勢いで観察に臨んだ。

土曜日の午前、初めてコウライウグイスのトロピカルな鳴き声を聞いた。なん
とも表現のしがたい複雑なフレーズだ。聞きなしを言葉にすることは不可能。
トビが接近したのを嫌って、林と林の間の上空を飛んで移動した。このとき、
一度だけ姿を確認することができた。イメージとしては黄色いヒヨドリといっ
た感じだ。一瞬のことで、カメラに手を掛ける間もなかった。

その後の仲間の観察で分かってきたことは、朝はよく鳴いて、昼間は鳴かない。
夕方にもう一度鳴く時間帯があるということだ。翌日も同じエリアで同じパター
ンで行動した。林の上を飛ぶ姿も、観察中一度見た。枝に止まった姿を見つけ
るのは、非常に難しい鳥であることも分かった。

ときおりハマウドに止まるカワラヒワを、暇つぶしに撮ってみる。畑の水貯め
には、いつもここを利用しているらしいトビが水を飲みにやってきた。コウラ
イウグイスの声の方にレンズを向けても、コゲラらしき幼鳥を捉えただけ。
夕方の活動時間には近い距離から声を聞いたが、やがてその声も止み、雨の林
を見上げながら悔し紛れのシャッターを切るだけだった。(トップ写真)

日曜日の午前、風が強くてグランドノイズが大きいが、今回飛来したコウライ
ウグイスの鳴き声をアップしておく。MP3で1MBほどのファイル容量である。
この声を聞きながらトップ写真をご覧頂きたい。トロピカルな鳴き声に、きっ
とジャングルにでも迷い込んだかのような錯覚に陥るだろう。







※コウライウグイスの鳴き声(2010年6月27日録音@竹野スノーケルセンター)

別のプレイヤーのテスト:

結局今回も写真に残すことができなかった。本庄センター長の継続観察により、 6月28日には竹野スノーケルセンター周辺から姿を消したことが確認された。 今度会うのはまた10年後か。それとも、温暖化の影響でこの鳥の飛来数が増 えてゆくのか。この時期の竹野海岸に今後も注目してゆきたい。 【撮影データ】 26-27/Jun/10 豊岡市 D90+VR300F2.8