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アカショウビン

アカショウビン
アカショウビン (ブッポウソウ目カワセミ科/Ruddy Kingfisher)
早朝から山に入る。山菜採りと思われる1台と遭遇した以外は静かな山中。
フロントガラス越しに見上げたトケンと思われた1羽はアオバトだった。
トチノキは花盛り。稜線からはツツドリ、カッコウ、ホトトギス、ジュウイチ
の声が聞こえてくる。以前は確認できたセグロカッコウは、ここ数年声を聞か
ない。

見晴らしのよいブナの1本立ちはトケンの飛来ポイント。この老木も急速に樹
勢が衰えてきている。近い将来、立ち枯れを迎えるだろう。ハシブトガラスに
モビングされて1羽のトケンが飛び込んできた。鳴かないのでメスなのだろう。
カッコウかツツドリだろうけど、「鳴かずんば 識別不能よ トケン類」。

山の気温は10度を割って、5月の終わりというのにフリースを羽織るほどに
寒い。運転席と助手席の窓を全開にしてゆっくり移動。アカショウビンの声が
近くから聞こえて車を停める。

声が近づき、梢の隙間越しにアカショウビンの姿が見えた。毎年声は聞くけど、
この鳥の撮影チャンスはそうそうやって来ない。距離はあったが、めったとな
い場面に久しぶりに昂ぶる。ISO感度を上げてすべて手持ちで狙う。

こちらに向きを変えた。前から見ると、胸から腹にかけて一様に赤い。メスは
腹にかけて薄くなってゆくから、この個体はオスである。時期からいって、こ
の近くでメスと一緒に造巣中なのだろう。左に向きを変え、短い時間のうちに
ヒョロロと鳴きながら谷に落ちて行った。

そのまま待っていると、もう一度近くの別の枝に止まった。トップ写真はその
ときの別カット。短い時間で姿を消し、その後は少し遠くから声が聞こえてい
るだけになった。新緑の背景にアカショウビンの真っ赤なくちばし、何度見て
も鮮烈である。

その後はお決まりの鳥に出会った程度でレンズを向けることもなかった。
この時期、カケスがやたら目についた。アナグマが前をノタノタと横切ったり、
フジの花を愛でながら早めの下山とした。

【撮影データ】 30/May/10 美方郡 D90+VR300F2.8