GW初めに偵察に入ったときは、北斜面の陰には雪の壁があり残雪で通行不能 の場所もあった林道。5月半ばの週末には、路肩に僅かに腐れ雪を残すのみで 通行可能となった。 近くでコルリの囀りが聞こえた。しばらく声の方向に注目するが姿を現すこと がない。トケンはツツドリに加えてジュウイチの声が聞こえる。大きなケヤキ 林ではサンコウチョウが飛び回っていたが写真は撮れず。気晴らしに枝先にぶ ら下がるヤマガラを撮って紛らす。遠くでアオバトの呑気な声。 沿道のオオルリの囀り、同じ個体の背中、キビタキの囀りにレンズを向けたく らいで、これといった鳥の姿はなし。深い谷の底から、今期最初のアカショウ ビンの声を聞いたのが収穫。ボロのギフチョウが飛んで地面で日光浴。下山途 中でウスバシロチョウの飛びものに挑戦。鳥の飛びものは一直線で追いやすい が、チョウの飛翔はランダムなので難しい。 午後から、仲間が観察中のミソサザイの営巣地にお邪魔する。小さな沢の落ち 込みの岩陰に巣があった。沢の下流側から巣に入り、僅か2秒ほどの時間でヒ ナへの給餌を済ませる。与える餌は蛾、クモ、羽虫などであった。 外からヒナの姿が見られないよう、巣は実に巧妙な場所と角度が選んである。 ようやくヒナの姿を確認できた。連れによればヒナは3羽いるとのことだった。 給餌が終わるとヒナは親鳥に向かって尻を向け、糞を出す。親鳥はその糞を受 け取ると飛び去る。100mほど下流の木の枝が糞の捨て場所になっていた。 親鳥はその枝に止まってくちばしから落とした糞を枝に並べてゆく。そんな糞 の塊りが点々と枝に並んでいるのが見えた。 餌を巣に運び込む前に、親鳥は一旦近くの枝や岩の上に止まって安全を確かめ る。その場面で記録を重ねると、餌の種類がよく分かる。幼虫類、羽虫類、 トップ写真は蛾である。ミソサザイの子育てはメスの仕事らしいが、この親鳥、 右足の指の付け根が後ろに曲がっている。行動を見ている限り、生活には大き な支障はなさそうだった。 ヒナの巣立ちはまもなくの様子であった。 【撮影データ】 15/May/10 美方郡、豊岡市 D90+VR300F2.8 |