朝は1℃と冷え込んだ。平地には霜が降り、山の上部は再び白くなった。 百合地巣塔、観察を続ける地元のKさんの話によれば、どうやらこの日最初の ヒナが孵った模様。また、4羽いたコハクチョウは早朝6時半ごろに旅立った とのこと。周囲の湛水田ではコチドリで賑やか。 海に向かう。湾内のカモはすっかり減ってしまった。岸ではハマシギが群れて いる。 砂丘の農道をゆっくり流す。かねてからマークしていたポイントに差し掛かる。 ビンゴ! 予想的中とはこのことだ。フェンスの上にチョコンと止まっている 1羽のヤツガシラを見つけた。 この時を待っていた連れを緊急招集。二人でヤツの遊び相手になってもらう。 相手の動きをチェックしながら距離感を計る。春の花を背景に1カット。何か を警戒した場面のポートレート図鑑写真。正面から見る冠羽は4本の黒いスト ライプ。たたんだ冠羽は左右ペアになっている。後姿、砂色の体に対し、翼は 黒と白のツートンストライプ。 以下、場面別に写真をまとめてみた。 【冠羽】 ヤツガシラの魅力は何と言っても扇状に開く冠羽。しかし、冠羽を開くのは 行動中に一瞬緊張したり、興奮したりするその瞬間に限られる。 冠羽シーン1:物陰から出てきた瞬間 冠羽シーン2:餌を探す 冠羽シーン3:餌を探す 冠羽シーン4:畳みかけ。足にも注目 冠羽シーン5:後ろから縦位置で 冠羽シーン6:トップ写真と同じ場面のトリミング 【採餌】 細長い冠羽とくちばしは、ヤツガシラの頭をツルハシのように見せる。餌を捕 まえるときはまさにツルハシで掘るように行う。 採餌シーン1:ケラを捕まえた 採餌シーン2:採餌中に冠羽を広げることも 採餌シーン3:捕まえた虫を放り込む 採餌シーン4:正面から 採餌シーン5:ヨトウ虫系の幼虫がほとんど 採餌シーン6:短足は草に埋もれる 採餌シーン7:ずっとこうして餌を食べ続ける 【飛翔】 飛び方はスローで、コミミズクとかタゲリとかの飛ぶ感じである。黒と白のス トライプで優雅に飛ぶ様は蝶のように美しい。 飛翔シーン1:黒に白がお洒落である 飛翔シーン2:ゆっくりフワフワと飛ぶ 飛翔シーン3:翼も尾羽も幅広である 飛翔シーン4:木に止まったところ 飛翔シーン5:地面に向かって滑空 【砂】 ヤツガシラは砂漠の鳥である。日本を通過中も砂地を好む。今回は思いがけな く砂浴びシーンも見せてくれた。 砂シーン1:砂の上を歩くのがお似合い 砂シーン2:農地には殺虫剤の空き缶 砂シーン3:砂浴びの場所を探す(実は今回一番好きなカット) 砂シーン4:砂浴び開始 砂シーン5:別の砂浴びシーン 午前中で4GBのメモリーを使い果たし、電池切れのアラームが点滅したとこ ろで撤収。残りの観察を連れに託す。 昨年は3月15日に竹野海岸で観察した。今年は1週間ほど遅れたが、昨年並 みの出現状況と言えよう。ヤツガシラは単独で移動するが、愛想の良し悪しは 個体差が大きい。今回の個体はかなりの愛想良しだったので、十分楽しませて もらった。 【撮影データ】 22/Mar/10 六方〜京丹後市 D90+VR300F2.8 |