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7年ぶりのハイチュウ♂

ハイイロチュウヒ♂
ハイイロチュウヒ♂ (タカ目タカ科/Northern Harrier)
役所関係の連れは一足先に初出勤。正月休み最終日は一人鳥見となったが、仲
間との連絡が無いのは寂しいものだ。朝から深い霧が盆地にたちこめ、正午近
くになってもまだ晴れなかった。そんな中の円山川のノスリ。

ようやく川の視界が開けると、下流の浅瀬にはコウノトリの団体さんが下りて
いるのが見えた。年末に監視カメラが外された百合地の人工巣塔では、寄り付
かなかったコウノトリペアが再び飛来して繁殖活動を始めている。

久しぶりの快晴、太陽が嬉しい。霧の立ち込める中、遠くで川を渡っていった
猛禽の影が気になって待機を続けているのだが、ポカポカ陽気の時間待ちは苦
にならない。

予測通りというか、ラッキーの女神がついていてくれたというか、左岸から渡っ
てきたハイイロチュウヒ♂が遠くでパトロールを始めた。下流から右岸沿いに
こちらに近づいてくるがまだまだ距離が遠い。獲物を見つけて攻撃態勢に入る
が不発。再びV字飛行に移って近づいてくる。なんとか顔の表情が解像するあ
たりまで来た所で、方向を西に変えて川の上に出て、河岸沿いをパトロール。
左岸に渡ってヨシ原を巡回し、再び下流で右岸に渡ったあと行方をくらました。

この日、少し上流でもハイイロチュウヒ♀タイプを見たし、今回の♂の活動エ
リアでも夕暮れ時に飛ぶ若♂を見た。複数個体のハイイロチュウヒが飛来して
いることは確実であるが、さて、成鳥♂はこの1個体だけかもしれない。

私にとっては7年ぶりのハイイロチュウヒ♂の観察となる。当時はデジスコで
苦労しながら撮影していたことを思うと、今は道具も考え方も変わり、珍しい
鳥を血眼で追いかけることも無くなった。それでもやはり、めったに会えない
鳥がやってくれば、フィールドワークにも張り合いが出るし、彼らを呼び寄せ
る環境が残されている豊岡盆地の自然を誇りにも思うのである。

【撮影データ】 04/Jan/10 豊岡市 D90+VR300F2.8