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サギがネズミを喰う

アオサギ
アオサギ (コウノトリ目サギ科/Grey Heron)
夕刻、変人Y氏が張り付いている稲刈り中の田んぼに合流。サギの捕食シーン
を狙っていたので仲間に入る。田んぼの周辺は刈り終わり、コンバインは中央
に残されたイネに向かっている。チュウサギが多く、ダイサギとアオサギも混
じる。全部で20羽はいただろうか。コンバインの動きを注視している。

近くのアオサギがすかさず何かを捕まえた。ハタネズミだった。水生動物、爬
虫類、昆虫を捕食するのがサギの常識だと思っていたが、なんと、生きた哺乳
類さえも餌にするのだ。他のサギの動きを見ると、コンバインが動いて飛び出
るカエルやバッタをつまみ食いしているヤツが多いが、大物を捕まえているの
も少なからずいるのだった。サギのネズミ喰いに撮影ターゲットを絞る。

さきほどのアオサギが首を伸ばし、地面を凝視したまま攻撃態勢に入っている。
次の瞬間、すばやく頭を突っ込んだ。くちばしには赤っぽいネズミが挟まれて
いた。連写にネズミの顔が写っていた。なんと、アカネズミである。

少し離れた場所ではチュウサギがやはりアカネズミを捕まえ、頭から丸飲みし
ているのだった。

サギがネズミを捕食するという事実を知ったことも驚きであったが、山地に多
いアカネズミが田んぼに数多く生息していることも新たな知見であった。
サギが稲刈りのコンバインに寄ってくるのは、こういった大物の出現を期待し
てのこともあるのだろう。

イネの中に隠れていたネズミは、周辺から刈り取られるにつれて残ったイネの
中に追い込まれ、逃げ場を失ったところをサギに狙われるのではないか。Y氏
の見解はこうであったが、観察しながらまさしくそのような状況が展開されて
いるのだった。

見慣れた普通種でも、視点を変えながら観察してみることの大切さを教えても
らった。

【撮影データ】 19/Sep/09 六方田んぼ D90+VR300F2.8