もう説明なしで、セレクトしたムツトゲイセキグモの粘玉回しの写真を掲載し ておく。全体の露出は不足気味なのであるが、粘玉の光跡とのバランスで、今 の段階でこれが精一杯といったところ。 ラインが円錐を描く様子を捉えたかったが、それもようやく表現できるところ まできたので、現時点での完成形ということで記録に残す。あとは、この状態 で蛾が掛かった瞬間を狙いたい。(クリックで画像拡大) この夜は4個体のムツトゲイセキグモを観察した。一つは遅くなってから玉を 吊り下げたが、いつのまにか蛾を捉えているのだった。投げ縄猟の捕獲効率は、 思った以上のものがあるようだ。 もう1頭は最初から動きが鈍く葉裏にじっとしていたが、夜更けになってその 理由が判明した。2回目の産卵を行ったのだ。黄色い卵塊の上から丁寧に糸を 巻いてゆく。やがてそれは白い玉となり、さらに進むと茶色の玉へと変わって 行く。丁寧に丁寧に、糸を何重にも巻いてゆく様はムツトゲイセキグモの母親 としての愛情を重ね見てしまうのであった。やがて卵のうの中で孵化した幼体 は、春が来るまでその中で過ごすのだという。 なお、ムツトゲイセキグモの行動について、日本蜘蛛学会の興味深い研究論文 をネット上で読むことができるので紹介しておく。 ムツトゲイセキグモの生活史および「投げ縄」作成と餌捕獲行動(PDF) 新海 明, 新海 栄一 Acta Arachnologica Vol.51 , No.2(2002)pp.149-154 3度目の夜遊びは、結局また1時過ぎまで続けてしまった。 ムツトゲ以外に撮ったものを並べておく。 ・隠れ帯に潜むコガタコガネグモ ・蛾を捉えたナガコガネグモ ・卵のうを守るトリノフンダマシ ・2個目の卵のうを作るトリノフンダマシ ・オオトリノフンダマシの卵のう ・ゴミグモの長細い卵のう ・お休み中のヒメウラナミジャノメ 【撮影データ】 05/Sep/09 豊岡市 D90+SP90MACRO |