結局夏の太陽は力をみなぎらせることなく、9月に入ってしまった。今年もエ アコンを買わずに済んだと家人と話し合うのだが、なんだか損をしてしまった 気分である。メリハリのない季節感がこれからも続いてゆくのだろうか。 泥を被ったままの東浦ビオトープに鳥の気配は無い。ギンヤンマが気を引くく らいだ。北寄りの力のある風に向かってホバリングを続ける。テレコンを外し た300ミリのマニュアルフォーカスで追いかける。昨年D2Xで写したとき よりは歩留まりが良かった。 タンデムのペアが水路の壁に止まった。300ミリでは長すぎるので、ここは 思い切って魚眼でと欲張った。慎重に寄ったつもりだが、ファインダーを覗く までもなくプイと飛び去られてしまった。 湿地のミズアオイが増えている。今が最盛期の様子だ。常用の望遠レンズのま ま撮ったミズアオイ。同じ群落を魚眼で狙うとこうなる*。レンズが変われば 写真は大きく変わる。そこが面白いのである。 この週末、酒米を中心に稲刈りが一斉に始まった。カラスの群れに付いて飛ん でいる1羽。逆光のシルエットだが、ハヤブサに違いなかった。飛び方に猛禽 の威厳が感じられない今年生まれの幼鳥だった。独り立ちしたばかりで、餌の 獲り方もまだ身についていない。 もの珍しそうにこちらに近づいたあと、車の上を低空飛行してから田んぼの中 に紛れて行った。子どものハヤブサには、近くのカラスはまったく動じる様子 も無かった。 上がりぎわ、水路沿いの杭にカワセミが止まっていた。 実をつけた稲穂が垂れていた。 【撮影データ】 05/Sep/09 豊岡盆地 D90+VR300F2.8x1.4,*SIGMA10F2.8 |