酒米ハナエチゼンの収穫が始まった。パッチワーク状に刈田がポツポツと出来 はじめている。早朝、そんな刈田の横を過ぎる際、向こうの畦近くに白いもの が目に入った。距離は40mほど。 車を停め、双眼鏡を当てて驚いた。オオタカがシラサギを押さえつけていたの だ。オオタカとは何度も出会っていながら、捕食シーンの遭遇はチャンスがな かった。 様子から見て、狩の直後だった。40m離れたこちらを気にしていたが、やが て危害が及ばないことを知って獲物を食べだした。羽根をむしり、くちばしで 肉を裂いてゆく。オオタカが獲物を転がしたとき、それがチュウサギであるこ とが分かった。 ドバトをはじめ、カモやカラスはよく犠牲になるが、チュウサギクラスの鳥も 狩るのだ。かつて、ハヤブサがコサギを巣に持ち帰っていたのを観察したとき は驚いたが、今回も新たな発見であった。 離れた位置からとりあえずの証拠写真を押さえたあと、ゆっくりと距離を縮め てみた。相手が警戒を見せたところでやめればよかったのに、警戒ラインを超 えた途端、これまた驚いたことに、チュウサギをぶら下げて重そうに飛び去っ て行ったのである。 まさか、あんなに大きな獲物を持って飛ぶとは思わず、慢心してアプローチし たのが悪かった。低空で視界から消えたので、遠くには行かなかったはずであ る。あたりを少し捜索してみたが、見つけることは出来なかった。 【撮影データ】 30/Aug/09 豊岡盆地 D90+VR300F2.8x1.4 |