午後からは雨が断続的に降る。6月の雨不足を取り戻すかのように、梅雨は長 く続いている。ほかにアテもないので、聞いていたクロシジミの産地へ行って みる。車を置き、傘を差しながら散策。気温が高く不快ではあるけれど、雨の フィールド散策も乙なものである。 占有行動のダイミョウセセリ、ヒメジョオンに止まったヒメウラナミジャノメ などをマクロで撮る。ISO1600でも、そこそこ絞って手持ち撮影が可能な最近 のデジカメはフィールドワークの幅を広げてくれる。 目的の蝶を諦めて車の戻る途中、ススキの葉に止まったクロシジミ♀をようやく 一頭見つけた。雨のせいで活動を弱めており、撮影には好都合だった。 少し飛んで構えやすい位置に出てきたところでポートレート写真。実に渋いシ ジミチョウである。アブラムシやクロオオアリに幼虫期の世話をしてもらうと いう、兵庫県レッドデータBランクの希少種。ここは有名な産地であるらしい が、馴染みの場所をその気になって歩くのは今回が初めて。 魚露目でも簡単に寄せてくれた。ススキ野がクロシジミの生息環境*。 全開翅のクロシジミ*は、レンズ先端が翅に当ってしまうほどだった。♀の表 翅はこのように地味だが、オスは紫がかって美しい。もう少し早い時期にこな いと観察が難しいようだ。 ※この日、やたら近くをヘリが飛んだが、戻ってニュースを見ると但馬空港に 着陸予定で消息を絶った民間ヘリの捜索が行われていたのだった。 【撮影データ】 20/Jul/09 豊岡市 D90+SP90MACRO,GX100+魚露目8号 |