朝6時の六方田んぼは、水蒸気でモヤっていた。農道を左にターンすると、前 方にコウノトリが見えた。幼鳥J0012がまだ眠っているのだった。よく見 ると閉じた瞼は赤い色をしている。これは、知っているようで知らなかった。 足を前に折って寝ているのだが、折っている部分は人間で言えば「かかと」の 部分にあたり、決して膝ではない。膝は後ろにしか曲がらない。 やがてあくびをひとつして立ち上がり、ゆっくり伸びをしてから歩き出した。 痛めた右足を引きずるように歩くが、餌をとるのに不自由はしていない様子。 サギの集まる「コウノトリ育む農法」の田んぼで親鳥と合流した。 午後遅くから、盆地の南エリアを回ってみる。14時に34.8度のこの日の 日本レコードを記録した盆地は、この時間帯でも熱い風が揺れ動いていた。 伊豆の人工巣塔では巣立ちを目前に控えた3羽のヒナが、じっと暑さに耐えて いる。その下を、祖父母がお守りする子どもが網を持って走り回る。いい風景。 久しぶりの出石川堤外、湿地は夏草に覆われてしまっている。本流ではカルガ モ、シラサギ、カワウが涼んでいた。ヨシ原からはオオヨシキリの声が聞こえ ていた。 【撮影データ】 12/Jul/09 豊岡盆地 D90+VR300F2.8x1.4 |