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6月最後の日

ミズイロオナガシジミ
ミズイロオナガシジミ(シジミチョウ科)
亡き父を送り出したあと、慌しく時間が過ぎる。最期の写真をDVDに焼いて、
ホワイトレーベルには飛びっきりの笑顔で写った摩尼寺の写真を印刷した。
実家にDVDを届けようと車を出す。

なんとなく、そのまま山に上がろうと方向を変えた。林道を稜線まで上がった
ところで車を停める。足元にミズイロオナガシジミ*がいた。名前は後で調べた
のだが、綺麗なシジミチョウだった。トリミングしてみると、長い尾はねじれ
て突き出ており、先端は刷毛のような毛が密についている。ゼフィルスの仲間
では比較的よく見られる種のようだが、但馬では少ないような気がする。

ミドリシジミ類の活動時間にはまだ早く、ルリシジミアキアカネにレンズを
向ける。平地で馴染みの種でも、山で見ると何か新鮮だ。

来た道をゆっくり下りながら、ところどころでカシワの木に目をやる。活動時
間を見計らっているハヤシミドリシジミを葉の上に見つけた。

若き日の父も、このあたりでネットを振っていたに違いない。今は天国という
新しいフィールドで、昔のようにまたネットを振っているのかも知れない。
そんなことを思いながら山を下りた。
ダッシュボードの父の写真は、あいかわらず満面の笑顔なのであった。


R.I.P Tadasu Takahashi


【撮影データ】 30/Jun/09 美方郡 D90+VR300F2.8x1.4,*GX100