急斜面に枯れ沢がVの字を切っている場所で車を停めた。近くでミソサザイ がホッピングしてゆく。地面に紛れ込んで、ジッ・ジッと時々地鳴きをする。 忘れた頃に別の場所にヒョコと現れる。糞が着いているから、いつもの巡回 コースなのだろう。繁殖を終えて、もうご自慢の歌をうたうこともない。 斜面のトチノキの立ち枯れが気になる。大小いくつかの穴があり、鳥が利用し た形跡を残す。上の大きく開いたウロは、フクロウの仲間が使っていそうだ。 その下の丸穴はキツツキの古い巣穴。気になる穴はその下。キツツキの古巣を 二次利用している。入口を広げ、穴は丸から四角に変えられている。このよう な巣を作るのはアカショウビンに違いない。 そうとなったら、しばらく待つしかない。営巣中なら親鳥が戻ってくるはずだ。 2時間待ったが、少し離れたところからアカショウビンの声を一度確認しただ けで姿を見せることは無かった。抱卵中なら、飛来のインターバルは長いので あながち空巣と決め付けることもできない。 立ち枯れの下の切り株の根元にも穴を見つけた。これは哺乳類が使ってそうだ。 アナグマが入っているかも知れない。見上げるトチノキにクロツグミが一度だ け姿を見せてくれた。(トップ写真) 待つ間、斜面の上から森の中を縫うように、音も無くクマタカが滑空してきて、 空に抜けて行った。白と黒の鷹斑が印象的だった。 この場所、もうしばらくの間、チェックを続けてみようと思う。 【撮影データ】 14/Jun/09 美方郡 D90+VR300F2.8x1.4 |