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三年目の巣立ち

コウノトリ
コウノトリ (コウノトリ目コウノトリ科/White Stork)
天気も悪いし、午後からの予定もあったので、百合地の人工巣塔でコウノトリ
の巣立ちを見届けることにした。

11時台に現地へ。三脚が並んでいる農道の50mほど手前に車を止め、そこ
から観察することに。到着するすこし前に、ヒナが巣を離れて空を舞ったらし
い。しかし再び帰巣したので巣立ち認定には到らず。

ときどき親が飛来し、ヒナの巣立ちを促している。巣立ちの兆候を聞きつけて
か、正午前にはギャラリーが膨らんでいった。作業服の後姿が巣塔の親子を見
守り続けているKさん。大安の今日が巣立ち日だと、早くから予言されている。
さて、予言どおりにゆくのか。お昼も回り、兆候が見られないので、一旦引き
上げた。

3時台に再訪。午前より天候が悪化し、背景の山もガスが掛かる。30分ほど
待っただろうか。何か決意したようにヒナが体を緊張させた。「飛ぶかも知れ
ない」と、カメラに手を掛けた瞬間、あっけなく巣を離れて行った。レンズを
向けたときはすでに飛翔姿勢で、巣塔を右旋回し南東に向かって羽ばたいて行っ
た。文句なしの鮮やかな巣立ちの瞬間だった。写真データは15時49分。

河谷地区で親が出迎え、しばらくその上空を旋回した。すぐ片親が巣塔に飛来
したのは、我が子の巣立ちを確信するための行動だったのか。あるいは、もし
ヒナがまた巣に戻ってきたときに追い払うための待機だったか。

ヒナは再び巣塔近くまで飛んできたが、もう巣に下りることは無かった。
曲がったままの右足が気がかりだが、自活への道をしっかり歩んで欲しいもの
である。

初フライトに満足すると、ヒナは河谷放鳥拠点の田んぼに下り、さっそくにも
親鳥に付いて餌採りを始めていた。子育て上手の河谷ペアから生まれた、3年
目のヒナの巣立ちは、百合地のKさんの予言どおり、5月24日の大安の日に
こうして無事行われたのであった。

過去の巣立ち日の特異性に関し、河谷の岡さんのBlogで考察されているのが興
味深い。月齢と地球生物の生理現象との関連性は確かにあると思う。
岡さんのBlog記事はこちらから

【撮影データ】 24/May/09 六方田んぼ D90+VR300F2.8x1.4