コサメビタキがいよいよ抱卵に入った。木の又に掛けられたお椀型の巣のカム フラージュの見事さは、何度見ても感心しきりである。日曜日の気温は真夏並 みに上がり、抱卵中のコサメビタキも口を開けて体温調節している。 巣を離れても近くの枝で警戒を怠らない。 隣のコゲラの巣では、相変わらず長いインターバルで親鳥が少量の餌を運んで くる。コサメビタキとコゲラの営巣チェックは、注意深く定期的に続けてみる つもりである。 山を下りて夕方の田んぼ回り。ときどきタカブシギの鳴き声が聞こえるのと、 ケリのけたたましい声だけで、シギチの新たな飛来はない。百合地巣塔のコウ ノトリ、いつもは通り過ぎるだけだが、M獣医が観察に来ていたのでしばらく 隣で見せてもらう。北からの風に向かって、ヒナがジャンプを繰り返した。 横にいるのは母親。ヒナは50cmほど飛び上がって浮力を楽しんでいるよう だった。 ヒナの足の腫れは、すでに新聞報道されているが、識別リングの圧迫によるも の。腫れを中心に、緩く「くの字」に足の変形が見られる。立つと右足を引き ずっているが、生命や野外生活に大きな支障は出ないだろうとの見解。 このヒナの性別はDNA鑑定でメスと確定している。もうすぐ迎える巣立ちに 向けて、テンションを引き上げている真っ最中である。 【撮影データ】 10/May/09 豊岡市 D90+VR300F2.8x1.4 |