朝の7時台、山の西斜面を切る林道は日が入らない。クロツグミとオオルリの 声を聞きながらゆっくり高度を上げると、カーブを抜けたところでテンと遭遇 した。朝早い林道では、動物たちの徘徊を見る機会が多い。昨年は同じ林道で アナグマと出会った。 テンは車の進行方向に向かってトボトボと歩いてゆき、次のカーブで姿を消し た。道から外れて斜面を歩いている模様。少し先までゆき、Uターンして路肩 に止める。すると先ほどのテンが、こちらに向かってどんどん近寄ってくるで はないか。窓から身を乗り出してレンズを向けるが、お構いなしに小走りで寄っ てくる。鋭い爪と発達した肉球は、木登り上手なテンの特徴。暗くて殆どの写 真はボツとなったが、一瞬動きを止めた最短距離でのカットがトップ写真であ る。 顔の白い冬毛のテンは、一部を黒く変えながら夏毛に衣替えしている途中。 車の横を通り過ぎると、斜面を下りて姿を消した。 テンがいなくなるとキビタキが現れた。オス同士の縄張り争い中で、ブンブン と威嚇の羽音で飛び回る。落ち着くまでもうしばらく時間がかかる。路肩斜面 にルリビタキ♀が出てきていた。ツツドリの声に混じり、ジュウイチの声を初 認した。 【撮影データ】 29/Apr/09 豊岡市 D90+VR300F2.8x1.4 |