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冬に逆戻り

コアオアシシギ
コアオアシシギ (チドリ目シギ科/Marsh Sandpiper)
一旦上がった雨は、土曜日の夜半から風を伴って激しくなった。この時期の恒
例で、早朝はまず山の様子を見てこないと気がすまない。風雨が激しさを増し
鳥どころではない。林道は所々に落石もあって早々に逃げ帰る。

六方田んぼの湛水田にツバメが集まっている。風雨で羽虫が空中に上がらない
から、水面を狙って低空飛行するのだろう。北西の強い風に向かってゆっくり
眼の前を飛ぶものだから、飛びモノ撮影の練習台にはうってつけ。オートフォー
カスとマニュアルフォーカスを組み合わせながら、何度もトライした。
このツバメがベストかなと自分では思った。いくつかのツバメの飛びものを。
ツバメ2:風を翼で受け止める
ツバメ3:尾羽を広げて減速
ツバメ4:カメラ目線
ツバメ4:水上の虫を捕った瞬間

ツバメを撮っているとアオアシシギとコアオアシシギが現れた。アオアシシギ
はタカブシギとともに、六方田んぼの常連である。毎年撮っているけど、なお
も撮らないと気が済まないのは鳥屋の共通点。曇天の青被りも、それなりか。
上空を気にする足を上げる。アオアシシギは2羽いた。

コアオアシシギも近年は継続的に観察するようになった。アオアシシギよりは
警戒が弱いのと、華奢な感じが好きである。アカアシシギはこの日も滞在。

発達した低気圧が北に移動し、冬型の気圧配置になったせいで気温が上がらな
い。厚着をして出直す。6羽のウズラシギも強風に羽根を乱しながら、泥にく
ちばしを突っ込んでいる。こちら、ウズラシギ図鑑写真。

ウズラシギに混じってヒバリシギが1羽出てきた。単独で観察するときはウズ
ラかヒバリかで悩む場面もあるが、並んでみると違いがよくわかる。
ヒバリシギ図鑑写真。

水が抜かれた湛水田、ケリのヒナが走り回っていた。4羽いた。もちろんそば
で親鳥が警戒音を発しており、反応したヒナが親鳥に駆け寄る。

4羽いたヒナのうち、親の懐にかくまわれたのは3羽。残りの1羽は、間引き
の運命にあるのかもしれない。弱い遺伝子は淘汰されてゆくのが自然の掟。
3羽のヒナが親鳥のお腹を突き上げるものだから、親鳥の体が浮き上がってし
まう。いずこの親も、子どもを育てるのに必死なのである。

それにしても4月の終わりに寒い一日、北では雪になったそうだ。

【撮影データ】 26/Apr/09 六方田んぼ D90+VR300F2.8(x1.4)