朝から雨である。谷に入ってみるが、沢音と雨音だけ。山は諦めて田んぼ巡回 に終始する。ムナグロがいた。5羽の群で、夏羽移行中のものが多い。湛水田 でまず目を引いたのはハシビロガモ。背景が単調なので思い切りトリミングで 切り出し。巣塔下ではダイサギがドジョウ採りに熱中している。 雨の日はタシギがやたら出てくる。天敵の行動が鈍るからだろうか。車で寄れ ば「ジェッ」と一声鳴いて飛び出すが、タイミングを逸したやつはフリーズし たまま次のタイミングを待っている。 円山川河川敷を廻る。ノビタキがまだ残っていた。一緒にいたメス。 オオヨシキリを初認した。数はまだ少ないが、あちこちで賑やかに囀りだした。 オオヨシキリの声を聞きながらノスリを遠望する。雨が強まってゆく中、川岸 のヤナギに見つけたのはヒレンジャクとキレンジャク。やがて下流に向かって 飛び去った。 再び六方田んぼ。タカブシギが沢山入ってきた。泥の中の虫を上手に捕まえる。 午後遅くには一旦雨が上がり、わずかに晴れ間も。ウズラシギ6羽を確認。 午前中にツルシギだと思っていた1羽、よく似たアカアシシギであることが後 で分かった。赤い脚が美しく、ツルシギのくちばしが下だけ赤いのに対し、ア カアシシギは基部の上下ともが赤い。ベテラン鳥仲間2人も同じ個体をツルシ ギと誤認していたが、それくらい似ている。分かってみるといくつかの明確な 相違点がある。アカアシシギはツルシギに比べて、 (1)一回り小ぶりである (2)くちばしと脚はツルシギより太め (3)色目がツルシギより明るい (5)くちばしの赤の入り方が違う それでもなお確信が持てず、仲間の一人と一緒にアカアシシギの最終確定作業 に入る。図鑑によれば、背中から上尾筒まで深く白が入っていることと、ツル シギとの決定的な違いは初列と次列の風切羽縁の白い翼帯。 東の湛水田に移ったアカアシシギは、タカブシギに混じって行動中。 仲間が徒歩でゆっくり近寄ったところで動かぬ証拠を押さえた。白い翼帯はツ ルシギにはない。参考のためにツルシギ(撮影:2008/10/19)、違いが意識され るだろう。ツルシギとアカアシシギの識別ポイントのまとめ。 アカアシシギは秋の石垣島で初観察した。六方田んぼでの観察は初めてのこと。 湛水田の広がりが渡り鳥を呼び寄せている。 【撮影データ】 25/Apr/09 豊岡盆地 D90+VR300F2.8 |