雪解けの矢田川を下る
今回の矢田川は、昨年の10月に初めて下った時とはかなり違った表情で迎 えてくれました。いっしょに下った相手はKFC3号のすのーべるさん。彼 にとっては初めての矢田川でした。 前回とまったく同じコースを選びましたが、水量は前の倍ほどあってライニ ングダウンの必用はありませんでした。前回は何でもなかった場所が結構な 瀬になっていたり、瀬であった場所はちょっと構えて通過しなければならな いほどの流れになっていました。 前回の紀行文で、すっかり変わってしまった昔の川遊びの場所の話をしまし た。驚いたことに、既に護岸工事の完了したと思われるその場所が、再び重 機により崩され掘り返されていました。前の護岸工事では飽きたらず、さら に堅固な護岸工事をしようとでもいうのでしょうか。繰り返し行われるこの ような不可解な工事に、最近は怒りの気持ちすら沸かなくなってきました。 あんたらの仕事場はここに用意してあるから、何度でも掘っては埋めしてれ ば良い。でも、頼むから、他の場所では同じことをしないでくれ。願ってみ てもしかたのない気持ちで、積み上げられた砂利の間を下ってゆきました。 大きな波頭が立っている瀬では、艇が大きく上下します。時々コクピットか らの浸水を受けつつも、快適なダウンリバーを楽しみます。キィウィ2乗り のベテランであるすのーべるさんのパドリングは、とても安定しています。 クランク状の瀬でも、うまく内側のコースに艇を導いて難なく通過。私は一 ヶ所で外側にもってゆかれて、流れがぶつかったところにあった倒木に絡む 寸前で回避という、ヒヤリとした場面がありました。後ろで見ていたすのー べるさんが、「今のとこ、ちょっとヤバかったんじゃない?」と忠告。瀬に 入る手前でのコースの読みが甘かったようです。 今時の川は、冬鳥と夏鳥の両方が観察できて面白いです。カモが飛び立った かと思えば、ツバメがスクランブル。山からはウグイスやメジロの囀りが聞 こえてきます。そうそう、ツバメといえば、大谷橋の下に無数のイワツバメ の巣がありました。渡ってきたばかりのイワツバメが、さっそく新しい生活 を始めていました。果たして昨年使った巣を、彼らは覚えているのでしょう か。あんなに密集した団地状の巣から、目的の場所を見つけているのでしょ うか。そもそも、ツバメがちゃんと南から帰ってくることでさえ不思議なの にね。 菜の花は、ところどころにポツポツ咲いていました。河原のネコヤナギは膨 らみすぎて老いた猫のよう。岸辺の崖から枝を垂れるヤマザクラを愛でなが ら、船は楽農園前のこの日最後の直線へ。ここでは両側の河川敷にたくさん の菜の花が揺れていました。 【 行動日 】96年 4月 8日(日) 【 河 川 】矢田川 【 流 域 】兵庫県北部但馬地方 【 コース 】香住町小原〜三谷 【漕行距離】約5Km 【 天 候 】曇り、気温14度 【メンバー】すのーべるさん on Keowee2、たじまもり on Keowee2 【参考地図】5万図/香住 【 タイム 】弁天山上流 12:50 → 三谷河原 14:10 (途中15分ほどコーヒーブレーク) 【 川情報 】★水量多し ★コース中、ポーテージ、ライニングダウン無し ★弁天山下流、小原の河原で護岸工事進行中(-_-; |