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新緑の矢田川を下る


軽快に瀬を漕ぎ下る萬屋氏
軽快に瀬を漕ぎ下る萬屋氏

 4月は棒に振ってしまったが、新世紀の漕ぎ初めは5月5日の「こどもの日」、
 矢田川に決めた。昨年は四十肩に悩まされたが、今シーズンは解消。野遊び
 仲間の萬屋正右衛門さんを誘って、今シーズンのデビューツアーだ。コース
 は2年前に開拓した村岡町山田口でエントリー、香住町三谷をゴールとする
 10Km。ゴール地点に新しく出来た矢田川温泉で上がりという計画を立て
 た。「こどもの日」のスペシャルゲストは息子たじま/YUU。私とペアを組ん
 でキィウィ2で下る。

 国道脇のパーキングで待ち合わせた後、矢田川に向かった。香住町のマーケッ
 トで買い出し。地元産の一夜干しのカレイが本日のメインディッシュ。カッ
 プラーメンやらオニギリやらを仕入れてゴールポイントの河原へ。着替えを
 済ませ、私の車に萬屋さんのダンサーを積み替えて上流に向かう。途中の自
 動販売機でビールを仕入れることも抜かり無い。

 兼業農家が普通となった今、5月連休の田んぼは田植えの真っ盛り。水の張
 られた田んぼに苗の緑色が一際鮮やかで、赤い田植え機が行ったり来たりし
 ている。農家の庭先には日章旗や鯉のぼりがはためき、国道を行き交うのは
 他府県ナンバーのファミリーカー。それぞれのゴールデンウィーク。
山田口右岸の出艇ポイント
山田口右岸の出艇ポイント
境橋のイワツバメの巣
境橋のイワツバメの巣
 山田口の橋を渡ってエントリーポイント。2年前同様、河原まで車が入った。  11時40分スタート。雪解け水と2日前に降った雨を集めて、水量は十分  である。水温はまだ低いが、気温は上がってコンディションは上々。高曇り  の中を漕ぎ出す。バウシートの息子たじまは、瀬のたびに波しぶきを被って  ジャージの下半身はびしょ濡れだ。パワーのあるクランクの瀬の真ん中で、  左に振られた艇が水流に引きずり込まれそうになり、一瞬ひやりとした他は  流れに任せて快適な川下り。  右岸は三川山の山裾がなだれ落ち、静かな淵ではオシドリとヤマセミが飛ん  だ。艇のコントロールは息子たじまに任せて、双眼鏡で鳥を追いかける。山  からはツツドリ、ジュウイチ、オオルリ、キビタキといった歌い上手たちの  囀りが聞こえた。境橋を通過。橋の下はイワツバメの団地。  境の堰堤を右からクリア。左岸の神社を見上げて、祠の入り口が川を向いて  いるのに、萬屋さんが興味を示す。「この神社も、川の神さんを奉ってある  のかなぁ?」 この先、藤の堰堤までの流域が、このコースのハイライト。  最大1.5級程度の三角波が広い幅で長く続き、とても「ヒャッホー!」な  川下りが楽しめるだ。
波しぶきがデッキを洗う
波しぶきがデッキを洗う
ランチタイムの河原
ランチタイムの河原
 ポアオーバーした藤の堰堤を右からクリア。堰堤下は少し険悪で、右岸沿い  に回避してから再乗艇。前回、ここでヤマセミを見つけ、その後何回も観察  のために通うこととなったアセブの淵に滑り込む。前と同じ砂浜に上陸し、  ランチタイムとする。2年前は綺麗な砂浜だった場所は、人が入らないこと  でクズを中心とした植物が侵入し、姿を変えようとしていた。  さっそく焚き火の準備にかかる。適当な石や流木があって、焚き火にはもっ  てこいの場所だ。抜かり無く準備した焼き網をセットし、ころあいを見計らっ  てカレイをのせる。カレイが焼きあがるまで、竹輪やウィンナーをあぶって  ビールのアテにする。ほどなくカレイが食べごろに焼けた。熱々をホーホー  言いながら口に放り込めば、これまた最高に美味いときた。昨年までの定番  「焼きギス」を遥かに凌ぐ美味しさである。今回は参加しなかった漕ぎ仲間  のKoh!さんに、この至福感を分けてあげよう。3本立った携帯電話から、  Koh!さん宛にメールを送った。
メインディッシュはカレイの一夜干し
メインディッシュはカレイの一夜干し
ゴールポイント
ゴールポイント
 1時間半のランチタイムの後、ゴールを目指して出発。ここからは私がバウ  シートに座った。ヨシ原ではオオヨシキリが盛んに鳴き、川辺リではキセキ  レイやセグロセキレイが虫をフライングキャッチ、おっとカワセミが飛んだ!  そんな鳥たちの居る川風景を、フネの上からゆっくり観察。    流れに乗って僅か50分でゴールポイントに到着した後は、車の回収と道具  を積み込み、さて、お楽しみの矢田川温泉へ。昨年オープンしたばかりの新  しい温泉は、こじんまりした佇まいながら露天風呂もある。下り終えたばか  りの矢田川の土手を見ながら、さっぱりと汗を洗い流す爽快感。最後のお楽  しみも増え、このコースはすっかり我々のお気に入りとなった。  【 行動日 】2001年5月5日(土)「こどもの日」  【 河 川 】矢田川  【 流 域 】兵庫県北部  【 コース 】山田口(村岡町)〜 三谷(香住町)  【漕行距離】約10Km  【 天 候 】曇り  【メンバー】萬屋正右衛門 on Dancer, たじまもり & 息子たじま/YUU on Keowee2  【 タイム 】山田口11:40…アセブ河原12:40-14:10…三谷15:00  【 マップ 】5万図「香住」参照  【 川情報 】・境、藤、アセブ、計3個所の堰堤越え        ・この時期水量は豊富、瀬は最大1.5級程度        ・堰堤越え以外は特に大きな危険個所は無い        ・三谷の矢田川温泉、中学生以上\500