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やろうやろうと言いながら、ずいぶん時間が経ってしまった。私は2年前の夏 に娘と漕いで以来だが、漕ぎ仲間のkoh氏とやるのは実に4年ぶりにもなって しまっていた。 前夜、帰宅してから、外したままガレージに長く放置してあったルーフキャリ アを取り付ける。ネジが無くて買出しに出たりで、予想外に手間取った。まあ 遊びは準備段階から始まっているものだから、晩飯も食わずレンチを回してい る作業そのものが楽しい。 朝9時に艇庫に出向く。春のまったり川下りはキィウィ2で決まり。最下段の koh氏の艇には4年間の埃が積もっている。koh氏の愛車、これまではクロスカ ントリーという名のシティカーであったが、本日いよいよクロカンデビューで ある。私の使い古しのルーフキャリアを付けるとき、ちょっと恨めしそうな表 情のkoh氏ではあったが、付けてしまえばもう腹をくくるしかない。 4年ぶりの段取り。あれはこう、これはああだと思い出しながら作業を進める。 着替えを乗せた私の車を下流の上陸地点にデポし、艇庫に戻りがてら流域を偵 察しながらコースどりを頭に入れる。マーケットで食糧の買出しを済ませ、koh 氏の高級クロカン号に艇を積んで上流の出発地点に向かった。 艇を下ろす前にクロカンデビューの記念写真を残す。河原からはオオヨシキリ に混じって、ヒレンジャクの「ヒーン・ヒーン」の声が聞こえた。ザラ瀬から エントリー。すぐに長い瀞場に入る。4年ぶりのカヌーですっかりテンション の上がったkoh氏が万歳姿で瀞場に下りてくる。連休初日の天気は最高。気分も 最高である。 それぞれが、それぞれのペースで、それぞれの思いを抱きながらゆっくりパド ルを入れてゆく。渡り遅れのカワアイサ♀が1羽飛んだ。右岸の進美寺(しん めじ)山の青葉が眩しい。(トップ写真) 瀞場の出口でザラ瀬を下り、流れ に乗って赤崎橋を抜ける。左にカーブしてやがて左岸から稲葉川が合流する。 近々、大規模な河川改修を受けるエリアの現在の姿を頭に刻み込んでおく。 神鍋の溶岩壁に沿ってゆく。ケヤキの木漏れ日がきらめく。ここでも梢にヒレ ンジャクの群を確認。すのーべる淵になだれ落ちる山崩れ。koh氏のBlog記事 にもあるが、現場を真下から見上げてみると、その規模や様子がよく分かった。 江原を漕ぎ抜け、日置橋の手前右岸で鹿の死体を見つけた。 日置橋から鶴岡橋にかけて、左岸では河川改修工事が進行中である。河道を広 げるのか、丸石河原がまたひとつ無くなってしまいそうだ。オシドリが1羽飛 んだ。鶴岡橋の上からは、爺さんが物珍しそうに覗き込んでいた。 今回のコースで唯一のライニングダウンが蓼川堰堤。落ち込みでは稚鮎の遡上 が見られた。堰堤下からのエントリーは少し難しい。フェリーグライドで左へ の流れを横切り、エディを上流に少し上がって右の流れに入り直す。koh氏が 先に見本を見せてくれ、その後で私が続いた。 上郷橋の上で鳥仲間の一人が待っていてくれた。その彼が撮ってくれた一枚*。 橋を通り抜ける*までレンズを向けてくれた。出たらすぐに昼飯にするつもりが、 結局2時間漕いでいつもの場所に上陸。少し遅いランチタイムにした。漕ぎ終 わってから車の運転があるのでビールは無し。代わりにキリンのノンアルコー ルで我慢したが、これが意外といけるのであった。 ノンアルコールであっても定番メニューは抜かりが無い。ソーセージを茹で、 キスを焙り、チーズを摘まみ、気分だけはほろ酔いである。メインディッシュ はもちろんチキンラーメン。長いこと食べていなかったが、カヌーで食うイン スタントラーメンの美味さをkoh氏と再確認しつつ、まったりとした1時間を ここで過ごした。 中ノ郷を下る。右岸では、築堤工事が進んでいる。農地は堤外に置かれて、増 水時には遊水池として機能する。左岸のケヤキ林を見ながら西芝の瀬を下る。 運動公園を過ぎ蓼川大橋をくぐると、堤防国道の車からの視線が少し気になる。 出石川との合流を過ぎ、海風を体に受けながら最後のストレートを漕ぎぬく。 円山大橋で上陸し、濡れたパドリングタイツを脱ぐと、さーっと空気が肌を撫 でてゆく。この瞬間がたまらない。ああ、今日一日、楽しい川だったなあと思 える瞬間である。我が愛車のカートップ姿も久しぶり。 4年ぶりに二人で漕ぐ円山川。変わらない景色と変わってしまった景色、これ から変わって行こうとする景色を織り交ぜながらの15km。車で走れば20 分ほどの距離を4時間半かけて下った。ノーメンテナンスで4年間もほったら かしの道具は、いつもの通りに応えてくれたし、その気になりさえすれば、川 はいつでも私たちを受入れてくれる。歳食って昔ほどのペースは保てないにし ても、川ガキだった原体験の残り火は、チロチロと燃やし続けてゆきたいと思 う。 夕食はkoh邸でご馳走になった。ご自慢のサンテラスでトワイライトタイムを 楽しみ、奥様が腕によりをかけたサルティンボッカの美味しさを楽しんだ。 久しぶりの夫婦同士のゆったりとした時間、カヌーの後の心地よい疲労感に包 まれながら、今日一日のエンディングを迎えてゆくのであった。 ※撮影:GX100、*Mr.Y氏提供 ※koh氏によるレポートはこちら 【 行動日 】2009年5月2日(土) 【 河 川 】円山川 【 流 域 】兵庫県北部 【 コース 】寄宮(八鹿)〜円山大橋(豊岡) 【漕行距離】15Km 【 天 候 】晴れ 【メンバー】koh on Keowee2、たじまもり on Keowee2 【 タイム 】寄宮11:50…上郷橋下流右岸14:00-15:00…円山大橋右岸16:20 |