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円山川KFCミーティング/前半ダイジェスト

★青空市場にて

 8時ちょうど、市内の朝市。すのーべるさんはもう来ていて、品定め中であ
 った。

  たじ:「おはよう。気合い、入ってるなあ」
  すの:「おはよう。今朝、4時半起きだぜぇ」

 カレイの一夜干しと、クロソイ1本、おや、こちらの露天、今着いたばかり
 のトロ箱に旨そうなサザエ。ええい、10個買っちゃえ。威勢のいい兄ちゃ
 んが特大のヤツを入れてくれた。婆さんの店でサツマイモ、オバチャンの所
 でキャベツとサヤエンドウ。今晩の宴を考えながらの買い物は楽しかった。

★道の駅にて

 居た、居た。赤と黄色のカヌーを積んだ公私混同車はすぐに見つかった。ゆ
 っくり近づいてFUJIKI号の前にバックで付ける。窓を開けて、座布団
 を枕に夢うつつのFUJIKIさんがチラッと見えた。らしいなあ。(^o^)

 我々に気付いたジュニアが父親を揺り起こした。初めての出会いは案外あっ
 けなかった。これだけボードで喋り合い、方々で顔写真を見ていたからだろ
 うか。初めてなのに、久しぶりに会う友人のような、そんな感じがした。

★出艇

 道の駅に入るまでに、出艇地をさらに上流に変更した。それを決定付けたの
 は川原の牛だった。今や社会の教科書くらいでしかお目にかかれないと思っ
 ていた川原の牛だ。親爺に引かれて浅瀬をジャバジャバ歩いている。いいな、
 今日はここから出よう。

 道の駅からすぐのこの川原に向かった時には牛はもう居なくて、子供達を喜
 ばせることが出来なかった。ちょっと残念。すのーべるさんの渋いグリーン、
 FUJIKIさんとたじまもりのホットレッド。3艇のキィウィ2が並んだ。
 それに黄色いガッチーノ。この形、どこかで見た懐かしさを感じた。そうだ、
 遊園地の飛行塔。何台もの飛行機がグルグル円周を回る、その飛行機だった。

★ヌートリア

 養父神社前の気持ちよい流れに身を任せる。ふと左の岸辺に動物の気配。目
 を向けるのと同時に、茶色い動物が水中に潜った。なんだ? そっと近づい
 てそいつが浮かんでこないか息をひそめたが、無駄な作業だった。円山川に
 はヌートリアが棲み着いているらしい。きっとそいつに違いない。できれば
 外国からの移住民より、ニホンカワウソだったら良いと思った。ひょっとし
 て…

★ラーメン事件

 「アッチぃ!」、こたじま/YUUが顔をしかめて足をばたつかせた。こたじま
 /GENのラーメンの汁を、私がこぼしてしまったのだった。急いで川に入らせ
 た。ヨモギの葉を水で揉んで、左足首の患部に当てた。この方法が有効であ
 るのかどうかは知らなかった。ただ、ヨモギは薬草だから効くように思え、
 そうしたまでである。

 しばらくは火傷のヒリヒリも我慢できる。腹も空いていたし、まだツーリン
 グは始まったばかりであった。しかし、昼食後1時間も漕がないうちに、火
 傷の痛みは彼の気持ちを萎えさせた。もう続ける気力が無く、リタイア決定。
 八鹿の堰堤からすのーべるさんの携帯で妻たじまに緊急電話。落ち合う場所
 を連絡し、無事引き渡した。

 私の不注意が引き起こしたことであり、こたじま/YUUには申し訳なく思った。
 後で妻たじまが語ったところによれば、彼は火傷の痛みより、途中でツーリ
 ングを放棄したことに悔し涙を流したそうだ。悪かったな。

★初夏の川トンボ

 進美寺(しんめじ)の長い瀬を下り切ると、右の川原に若い男が立っていた。
 先に下ったすのーべるさんと話をしているので、てっきり彼の知り合いが釣
 りにでも来ているのかと思った。近づいてみると、どうも見覚えのある顔。
 ふと堤防を見上げれば、青いカヌーが見える。ありゃ、こいつもカヌーしに
 来たのか。まだ分からなかった。

 彼の顔を見上げながら、記憶を呼び戻す。記憶の中の映像から帽子を取り、
 ドライトップを脱がせ、ゴム手袋をとって… ふとカメムシの臭い(ウソ)
 「ひょっとしてtombo-さん?」
 「そうです」
 ハイトーンの懐かしい声が返ってきた。厳冬期以来だ。目深に被った帽子と、
 橋の上から見下ろしたあの時の表情とは違った明るい顔がそこにあった。

★鹿風呂とガッちゃん

 赤崎橋下の川原に移動してもらい、残り30分足らずの本日のハイライトコ
 ースに参加してもらう。川原の対岸のラピッドにさっそく鹿風呂が漕ぎ出す。
 私は川は下るものだと確信していた。何と、上流に向かって漕ぎ上がり、パ
 ドルをバタバタさせなくても、うまく波に乗ってとどまっているようだ。こ
 れがひょっとしてサーフィンっちゅうやつか?(そう? tombo-さん)

 飽きたらクルっと下流に流され、また漕ぎ上がっては同じことを繰り返して
 流れと遊んでいる。なるほどね。プレイボートという名前の由来がこのとき
 やっと分かったような気がした。

 FUJIKIさんがガッちゃんで同じことをした。なかなか健闘していたよ
 うだが、tombo-さんのようにフネを自在に操るまでには、もう少し時間がか
 かるように思った。(^^; でも、カッチョよかったよ、FUJIKIさんも。
 (と、フォローしとこっと)

★墓場とテント

 tombo-さんはREI のテント、私はダンロップのテントを川原に張った。焚き
 火の跡があり、ここに人が集まることを知った。FUJIKIさんは邪魔く
 さいから上の駐車場の車で寝るという。墓場の隣りであった。(^^;

 (宴編はtombo-さんのレポートの通り)

 23時半、お開きとなってそれぞれテントと車に戻った。すっかり元気を取
 り戻したこたじま/YUUが私の横でシュラフにもぐり込んだ。tombo-さんのテ
 ントからはコトリとも音がしなかった。テントでは熟睡できた試しがないが、
 その夜も一晩中、川の音と森の音が聞こえていた。瀬音の中にカジカガエル
 の声が聞こえた。遠くでホトトギスが鳴いた。魚の跳ねる音がした。
 そして、すぐに夜が明けた。

 (後半へ続く)

道の駅「やぶ」近くの左岸出艇地での集合写真

出艇直後のバックウォータで力強くガッチーノを漕ぐ
FUJIKIさん