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KOH氏より但馬学5月例会「カヌーから見る円山川の氾濫後」のサポートを頼 まれた。朝9時、艇庫にスタッフ集合。KOH邸の使われなくなっていた離れは、 水害復旧に合わせて「カヌーハウス」として利用することに。水周りも整備さ れ、着替えやシャワーが利用できてありがたい。 参加メンバーが揃い艇庫で簡単な開会式が始まる。その直前にバラスの駐車場 の片すみで見慣れない鳥を見つけた。体長10センチほどの茶色の地味な小鳥。 追いかけても飛ばず、地面をすばしっこく走りまわるだけ。怪我をして飛べな いのだろうか。ムシクイ系かセッカ系か、ベテランバーダーみゅう君と観察に 入ろうとするも、但馬学会長の挨拶が始まってしまった。写真を撮る時間がな く、みゅう君のIXYデジタルでスナップ撮影した写真を後日鑑定に。郷公園 のO主任研究員の同定でこの鳥はマキノセンニュウ*と判明したときは地団駄 を踏んだ。北海道で夏鳥、本州ではめったに姿が観察できないウグイス科の旅 鳥だった。但馬での貴重な目撃記録になる。 KOH氏より本日のコースの説明を受ける。上小田橋から出てすのーべる淵河原 で昼食、鶴岡橋下流右岸で上がる約10キロのツーリングだ。但馬学メンバー に加え、城崎のカヌーグループ「リバーダスト」7名もジョイントして賑やか な川下りになる。リバーダスト代表の方から挨拶があった。その名のとおり、 「川のゴミ」。カヌーで川下りをしながら川のゴミも少しずつ回収しようとい うなかなかの社会派カヌーグループ。私たちのような、ランチタイムのビアだ けをひたすら楽しみに漕ぐ志の低いカヤッカーとはワケが違う。 カヌーの搬送はトラックで楽勝。カラフルな11艇が河原に並ぶ。11時30 分出艇。5月は殆ど雨が降らず、川の水はかなり少ない。上小田橋の下もコー スどりによってはライニングダウン続出。バックウォータを30分漕いで伊佐 橋下のブロック堰堤越え。前回4月9日に同じコースを下ったときには堤の桜 を愛でながら左岸寄りのザラ瀬を流れた。今回は真ん中の水路を選んだが、こ こでも二人艇を中心にライニングダウンを強いられた。 寄宮左岸寄りのS瀬、ブロック堰堤の一箇所だけ安定して漕ぎ抜けられるとを 先行してチェック。後続艇を誘導して全員無事に通過させた。このS瀬がコー ス唯一の極小ホワイトウォータ。水量があると少し緊張する瀬になる。前回昼 食場所の左岸で短い休憩。若いシカの死体が浮いていた。岸辺に残った足跡と 死骸の様子から、死後それほど時間が経っていなかった。何かに追い詰められ たのか病気だったのか事情は分からないが、すぐにもトビやカラスが片付けて くれるだろう。 宿南の瀞場から赤崎の広いザラ瀬を下る。これ以降適度な流れがあって面白い。 旧赤崎橋の橋脚ブロックは少しやっかいで、水量の少ないときはフネを下りて 通過した方が賢明だ。案の定、一艇が引っ掛かって水舟になってしまった。 赤崎橋左岸では堤防の嵩上げ工事中で、現在無堤防状態の赤崎橋下流に築堤工 事が進む。人の平和と引き換えに、川の姿が味気ないものに変わってゆくのは 仕方ないことか。 やがて江原の溶岩壁に達し、14時前に艇庫裏の通称「すのーべる淵」に到着。 陸上スタッフが準備してくれたBBQで昼食。真面目な但馬学の例会らしく、 アルコールは一切無し。ま、いつもの漕ぎ仲間同士のノリとは違って当然では あるが、やはり川遊びのランチタイムは焼きキスとラーメンとビアでダラダラ と行かないと私は納得できないのである。今回は解禁になったばかりの大屋川 の鮎が焼かれたのがご馳走であった。 メンバーが一部入れ替わって1時間足らずの残りのコースに出発する。すのー べる淵でリバーダストの一艇が静かに沈を披露してくれ、やんやの喝采を浴び た。ヒトの沈は楽しい。日置橋の親子連れ、子供が手を振って見送ってくれた。 向かい風が時折強く吹いたが、長い静水域を漕ぐのに大きな支障は無かった。 崩れた川岸や河畔林に引っ掛かったままのゴミなど、洪水の跡をそれぞれがフ ネの上から観察しながら様々な思いを抱く。それが今日の但馬学の趣旨。 架け替えが決まっている鶴岡橋をバックに全員で記念撮影。(トップ写真) 16時ちょうどにゴールして、この日の但馬学を無事終えることができた。 ※マキノセンニュウの写真はみゅう氏の提供 川下り中の撮影はすべてNikon E5000+WC-E68 【 行動日 】2005年5月28日(土) 【 河 川 】円山川 【 流 域 】兵庫県北部 【 コース 】上小田橋(八鹿)〜 鶴岡橋下流右岸(日高) 【漕行距離】約10Km 【 天 候 】晴れ 【メンバー】但馬学会員7+2名、リバーダスト7名 たじまもり on Cyclone 【 タイム 】上小田橋11:30…伊佐橋堰堤12:00…宿南原野12:50-12:55… 赤崎橋13:30…すのーべる淵13:55-15:10… 鶴岡橋15:50…ゴール16:00 【 川情報 】・水量不足 ・伊佐橋下流、寄宮左岸S瀬、旧赤崎橋橋脚跡の漕ぎ抜け注意 |