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ササゴイの子育て


ササゴイ(ペリカン目サギ科)
福知山のササゴイ集団営巣地の様子を見てきた。コロニーに着く前に、餌場の
川にいたササゴイを観察。いつものゴム堰のコーナーに陣取って通過する魚を
狙っている。この漁場が人気らしく、別の個体が飛来して水門の上に止まった。
すぐに飛び出し、餌場をめぐり小競り合い。護岸壁の上に飛来した個体は、脚
が赤っぽく婚姻色が出ている。第2クラッチに向かう繁殖個体なのだろう。

川の上を飛ぶササゴイ。笹の葉模様の翼がよく分かる。

近くのコロニーを観察。地元の有志が注意喚起の看板を設置したり、定期的な
観察会や路上の清掃活動を続けておられる。ケヤキの茂った枝中にササゴイ親
鳥。親が餌を運んでくるとヒナは待ちきれずに街路樹を貫通している電線を伝
って枝の中から外へ出てくる。トビが接近して首を伸ばして警戒するヒナ。

親が電線を歩くのを追いかけるヒナ。給餌する親は命がけ的な光景に見える。
激しく餌をねだるヒナは、親鳥を攻撃するような気迫。こういう噛み付きがト
リガーとなって吐き戻し給餌が行われるようだ。同じ吐き戻し給餌を行うコウ
ノトリは、静かに巣の上にゲロっと吐き戻した餌を、ヒナが自力でつついて食
べるやり方。

ササゴイ成鳥翼を広げたヒナはもう親と変わらない大きさで、巣立ちが近い。

保護活動に関わる知人と現地で合流。しばらく今年の繁殖の様子をお聞きした
り、地上に落ちたササゴイの卵の回収作業などに立ち会う。卵の大きさはこん
な感じ。ササゴイのコロニーは幹線道路交差点の並木道にある。ツバメと同じ
ように、人のごく近くで繁殖することで天敵の脅威から逃れているのかもしれ
ない。

さきほどの餌場とは少し離れた場所でササゴイがオイカワを捕まえた。
いつも大物ばかりではなく、小さな魚も実に上手に捕まえる。たくさんの魚を
獲って巣で待ちわびる育ち盛りのヒナへ運び続けている。第1クラッチのヒナ
が巣立った後すぐに第2クラッチの繁殖を継続し、休み無くササゴイの子育て
は続いてゆく。

【撮影データ】21/Jun/18 D500+VR300mmF2.8