台風の余波が長く続き、お盆の海は波が高くて海遊びの人たちにはさっぱりな 状況だった。そんな海に、そろそろ渡りのシギチが来ているだろうと、様子を 見に出る。アプローチから砂浜に出たところで、砂丘の縁に赤いくちばしがチ ラっと見えた。「ミヤコドリ!」 一度も実物を見たことのない鳥であるが、ひと目でそれとわかる特徴を備えて いる。高鳴る気持を押さえつつ、それでも半信半疑でゆっくり近づけば、全身 を捉える前に2羽が飛び立った。間違いなくミヤコドリだった。 太平洋側でもミヤコドリは珍しい鳥であるが、このあたりで見ることはまず無 いと思っていた。しかし、昨年10月に丹後の阿蘇海で2羽の飛来が確認され、 今回観察のこの2羽は阿蘇海で越冬・越夏した個体が西に動いたのかも知れな いと思った。くちばし先端が少し黒っぽいので亜成鳥なのだろう。 飛び去った方向に歩きながら捜索を続けたが、見つけることができなかった。 愛想のよいオバシギ1羽、キアシシギ1羽と遭遇。 諦めてアプローチに戻りがてら、飛んだのとは反対方向に双眼鏡をあててみる。 海水浴場の手前に2羽を見つけた。警戒心が強いと分かったので、「ダルマさ んが転んだ」方式でシャッターを切りながら徐々に近づいて行く。 トリミングしているが、トップ写真が最接近時のカット。警戒されて飛び立ち、 白と黒のコントラストを翻しながら、沖合を西に姿を消した。 ミヤコドリを見送った後、ムナグロ、シロチドリとキアシシギを見ながら戻る。 【撮影データ】17/Aug/17 京丹後市 D500+VR300mmF2.8 |