前回のポイントは、その後も季節になるたびにチェックしてきたが、発生が3 年間途絶えたままだ。今年も6月に何度か足を運んだが気配なし。今期も諦め かけていたときに、虫屋のUさんから別の産地の情報を得た。 現地に向かえば、クワの木の樹冠近くにイッシキキモンカミキリが数頭、飛び 回っているのが見えた。止まっているメスにオスが交尾を仕掛ける場面を何度 も観察した。 付近にはクワの木がまとまって植わっており、かつては養蚕が暮らしの一部を 支えていたのだろう。黒地に黄紋のイッシキキモンカミキリの明瞭なデザイン は、なんど見てもハッとする美しさだ。腹の大きいこちらの個体はメス。 メスがクワの葉の葉脈を食べていると、フェロモンに惹かれたオスが次々に メスの回りに飛来して交尾を繰り返す。 オスは一ヶ所に長く留まらず、すぐに飛んでメスを求めて飛び回る。 灼熱の太陽の下、小さな虫たちの命のリレーが繋がれてゆく。 【撮影データ】16/Jul/17 D500+VR300mmF2.8 |