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ウトウとウミスズメ


ウトウ(チドリ目ウミスズメ科)
鳥取のオジロワシのポイントに到着した途端、仲間からの携帯コール。竹野浜
が「とんでもないことになっとる!」と興奮した声で状況が伝えられた。鳥取
帰りに寄ってみることにする。

午後の後半に入った時刻、風雨が強まって仲間は早々に撤収した後だった。濡
れることも厭わず、「とんでもないこと」に向き合った。ウミスズメの群れが
岸壁のすぐ近くまで寄ってきているのだった。

ウミスズメは、このあたりでは春の移動の時期に時々、沖合を通過するのが見
られるぐらいで、私自身、まだ見たことの無い鳥の一つだった。それが大挙し
て目の前に居るのだから、「とんでもない」状況に違いない。カモメやその他
の海鳥も同じエリアに集結しており、原因は彼らの餌となるカタクチイワシの
群れが、浜辺に押し寄せてきたせいである。

ウミスズメ冬羽
ウミスズメ夏羽移行中
ウミスズメの群れ
水中飛翔から上がったところ
夏羽は喉も黒くなる
夏羽は頭に白い鉢巻が出る

さて、さらに「とんでもない」ことに、ウミスズメに混じってウトウが数羽混
じっていたこと。ウトウなど、北海道でないと見れない海鳥だと思っていた。
ウトウもウミスズメの仲間であるが、大きさはウミスズメより大分大きい。
2羽のウトウが並んだところ。上の個体は夏羽移行が進んで、上くちばし付け
根の突起がよく目立つ。顔の横に2本の白いラインが特徴的。

もう一種、珍しいのが混じっていた。ミツユビカモメである。沖合でないと見
られないカモメらしく、今回初めて観察することができた。
飛翔時の上面羽ばたき正面浮かびものウミネコは浜にも沢山下りていた。カタクチイワシを狙ってダイビング飛び上がる足環を付けたウミネコも混じっている。
ウミスズメやウトウのように潜りが出来ないウミネコは、水面近くに上がって
きた魚を捉える。

シロエリオオハムも沢山寄ってきていた。こちらはシロエリオオハムの幼鳥ウミアイサの一団もやってきた。メスの群れオスが1羽のハーレム軍団。

【撮影データ】09/Feb/17 豊岡市 D500+VR300F2.8x1.4