▼10月22日16時前:初認 夕刻が迫るころ、最後のひと回りで電線に見つけたコチョウゲンボウ、と遠目に は思った小型のタカ。まてよ、と思い直してしっかり確認すれば、紛れもなく待 望のアカアシチョウゲンボウなのであった。 10月のこの時期に、豊岡盆地を通過してゆく極まれな旅鳥である。仲間を緊急 招集し、めったにない観察に集中する。 飛翔速度はとても速い ビニールハウスのフレームに止まる 細いポールに止まる バフ色の羽縁は幼鳥の特徴 暗くなってからの飛翔 ▼10月23日朝:通勤前に同じ場所で再確認 ハウスのフレームがお気に入り 朝のお手入れ この日は勤務のため、仲間が一日中フォローを続けた。同じエリアから遠くに飛 ぶことなく、夕暮れまで過ごした様子を聞いた。 ▼10月24日早朝:7時前に再確認。9時台に終認 前日は荒れ模様の天候で、そのせいもあったのだろう、次の中継地へ向かって飛 び去ることが無かった。天気が回復し、この日が最後だろうと観察に集中する。 朝一番、ハウスのフレームに見つける。おそらく、ここをねぐらにしていたので あろう。飛んで見失ったところに仲間が参戦。二手に分かれて探し始めてすぐに 発見コール。 切った柿の木の先端に止まる 朝日があたり、柿の実をバックに 正面顔 こちらに向かって飛び出し 地上の獲物にダイビング 風切裏側の白斑が美しい 田んぼに着地して足が泥まみれ エンマコオオロギを捕獲 来日岳をバックに飛ぶ お気に入り場所に戻ってきた 住宅地近隣の農地 ヨウトウガspの幼虫を捕獲。これがラスト・ショット 8時41分のシャッターを最後に見失い、その後、所要で現場を離れ1時間後に 戻って以降、アカアシチョウゲンボウの姿を盆地内で確認することは無かった。 好天に誘われて、一気に南下して行ったものと思われた。これから瀬戸内、四国 から九州に渡り、鹿児島から海を南下するのだろう。 中国大陸北東部で繁殖したアカアシチョウゲンボウは、大陸を南西に移動してイ ンドに達し、インドから大海原を越えて南アフリカまで旅する長距離ランナーで ある。日本に迷い込んだ幼いアカアシチョウゲンボウの、遠い旅路の平安を祈る。 【撮影データ】22-24/Oct/16 豊岡盆地 D500+VR300F2.8 |