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森の子育て


コサメビタキ(スズメ目ヒタキ科)
林道沿いのポイントで先行の鳥仲間と出会う。コサメビタキの営巣を観察中との
ことで、しばらく一緒に観察を続けた。ヤマザクラだろうか、張り出した太い枝
の途中に、苔と樹皮をクモの糸で接着した、美しいお椀型の巣があった。

どうやら巣に留まってるのがメスで、オスは餌を運んできては一瞬のうちにメス
に口移し餌を渡してUターンしてゆく。その瞬間を捉えるのがなかなか難しい。

巣内には孵化したばかりのヒナが4羽いる様子。与える餌はすべて昆虫で、羽虫
であったりイモムシであったりバラエティに富む。驚いたのはゼフィルスを与え
たこと。蝶に詳しい仲間に確認して、どうやらブナ林で早期に発生するフジミド
リシジミらしい。

ヒナの顔が見えた。まだ目もあいてない。親鳥はヒナの糞を口で受けて、巣外へ
捨てにゆく。また餌をくわえて巣に戻ってくる。ヒナが巣立つまで、親鳥の懸命
な子育てが続くのである。

観察中、2頭のテンが足元をすり抜けて行った。おそらく繁殖ペアだろうと思う
が、レンズを構えたときにはすでに走り去る後ろ姿だった。

【撮影データ】19/May/16 美方郡 D500+VR300F2.8