夏が終わった浜辺を歩いてみる。波と海風がきつい。遠くにカラスがたかってい るのが見える。ウンラン、ハマベノギクを愛でながらカラスのターゲットに近寄 る。強い腐敗臭を避けて風上にまわれば、予想どおりのシカの死骸であった。 すでに眼球は喰われて、暗い眼窩があるだけの顔は、なぜか穏やかな表情をして 横たわっているのであった。下半身は暴かれており、内臓から出た緑色の草の汁 が砂の色を変えていた。防砂林の中をシカの群れが走り去る光景を何度も見てい るから、ここのシカが浜に出て果てたのであろうか。 波打ち際には、ようやくメダイチドリとトウネンを1羽ずつ見つける。 ミサゴが餌を探して海の上を西に飛んでゆく。 この海岸では、現在遊歩道の整備工事が行われている。葛野浜から箱石浜まで、 長い遊歩道ができるようだ。訪れる人が増えるのは結構だが、長い間ここで静か に鳥見を楽しんできた身にはちょっと残念に思う。 浜を離れ防砂林の中の舗道を歩く。センニンソウがあちらこちらで美しい。渡り のエゾビタキが飛んできて、ニセアカシアの高枝に止まった。すぐに飛び去り、 続いて見つけたのがチョウゲンボウ。レンズを向けた途端飛び去った。 秋一番の猛禽チェックとなった。 【撮影データ】13/Sep/15 箱石海岸 D7000+VR300F2.8,60mmMACRO, 10mmFE |