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9月の海


エゾビタキ(スズメ目ヒタキ科)
夏が終わった浜辺を歩いてみる。波と海風がきつい。遠くにカラスがたかってい
るのが見える。ウンランハマベノギクを愛でながらカラスのターゲットに近寄
る。強い腐敗臭を避けて風上にまわれば、予想どおりのシカの死骸であった。

すでに眼球は喰われて、暗い眼窩があるだけの顔は、なぜか穏やかな表情をして
横たわっているのであった。下半身は暴かれており、内臓から出た緑色の草の汁
が砂の色を変えていた。防砂林の中をシカの群れが走り去る光景を何度も見てい
るから、ここのシカが浜に出て果てたのであろうか。

波打ち際には、ようやくメダイチドリトウネンを1羽ずつ見つける。
ミサゴが餌を探して海の上を西に飛んでゆく。

この海岸では、現在遊歩道の整備工事が行われている。葛野浜から箱石浜まで、
長い遊歩道ができるようだ。訪れる人が増えるのは結構だが、長い間ここで静か
に鳥見を楽しんできた身にはちょっと残念に思う。

浜を離れ防砂林の中の舗道を歩く。センニンソウがあちらこちらで美しい。渡り
のエゾビタキが飛んできて、ニセアカシアの高枝に止まった。すぐに飛び去り、
続いて見つけたのがチョウゲンボウ。レンズを向けた途端飛び去った。
秋一番の猛禽チェックとなった。

【撮影データ】13/Sep/15 箱石海岸 D7000+VR300F2.8,60mmMACRO, 10mmFE