立秋過ぎの午後、近くの里山に登ってみる。山麓の防獣ネットのドアを開け結 界を超える。セミの声に混じってキビタキの囀りが時々聞こえてくる。海綿状 の黄色い茸はオオボタンタケの幼菌か。沢山のルリオオキノコムシが付いてい た。 大汗をかいて山頂に出れば、いつものとおり、尾根を涼風が渡ってゆく。風に 乗って次々にチョウが飛ぶ。ミヤマカラスアゲハ、モンキアゲハ、アオスジア ゲハ、アカタテハ、ツマグロヒョウモン等々。 しばらく待つと、お目当てのオオムラサキが活動を始めた。自分の縄張り上空 をツバメが飛ぶたびにスクランブル発進。しばらく追いかけたあと、近くの枝 に戻って警戒を続ける。いつもの観察時期より2週間ほど遅く、美しい翅はす でにボロボロになっている。観察時間の中で、少なくとも3頭をチェックした。 登り時にチェックしておいたウスバカミキリが、ケヤキの根元にまだじっとし ていた。ちょっと演出して魚露目ウスバカミキリ。環境が見えるとマクロ撮影 も俄然面白くなる。 山麓まで下りると、クサギの花にカラスアゲハが吸蜜に来ていた。翻ると、 表翅のコバルトブルーがキラっと輝いた。ヒグラシの大合唱に送られて結界の ゲートを閉めた。 【撮影データ】10/Aug/15 D7000+VR300F2.8,SP90MACRO,35mm+Gyoro8 |