但馬では生息地が限られ絶滅が心配される一種が、3月中旬にひっそりと花を開 く。その美しい姿を見てみたいと思いながら、長い間チャンスがないまま過ぎた。 時季を得て、ようやくその秘密の花園を訪れることができた。 鳥見でよく通うエリア、林に少し踏み込んだ場所にユキワリイチゲの群落があっ た。もう少し苦労して林の中を探し歩く覚悟だったのに、あまりにあっけない出 会いに拍子抜けした。 ユキワリイチゲはキンポウゲ科の花で、西日本に分布域を持つ。花の感じは山地 でお馴染みのキクザキイチゲに似るが、斑入りの入る葉はキクザキイチゲとはま ったく違う。 気温が上がった午後の観察、ユキワリイチゲは満開の花園で迎えてくれた。 その後の植物の専門家の調査で、20ちかくの群落が一帯で確認されている。 今春は、例年にない花付だという。いつまでも、この生息地が荒らされることな く続いてほしいものである。 【撮影データ】 16/Mar/15 D7000+SP90MACRO,10-20,10mmFE |