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雪の一期一会


ユキホオジロ(スズメ目ホオジロ科/Snow Bunting)
先週末に降った雪が残るフィールドに出る。菜の花が咲く南国から戻ったばかり
の雪国の風景は、それでもほっと心が落ち着くふるさとの変わらぬ佇まいだ。
雪が解けた畦に目をやれば、カワラヒワに混じって、同じくらいのサイズの白い
鳥が目に入った。

カワラヒワのアルビノ?などと考えながら、この白い鳥に接近して驚いた。これ
まで、じっくりと対峙するチャンスの無かったユキホオジロだった。ホオジロ科
の中では小さな鳥だ。草の実をついばむおちょぼ口がなんとも可愛らしい。
正面から見ると、胸の茶色いリングが目立つ。

飛び立つと初列風切が黒いのが分かる。後ろから見るとこんな感じ。近くにいる
ソデグロヅルと似た羽模様だ。さらにこの2種は、どちらも北極圏が故郷という
共通点がある。ユキホオジロの和名は言い得て妙だ。雪の上にいる姿は本当に美
しい。

マイカーとユキホオジロ記念ショット。冬に入ってこれまでの間、このエリアで
ユキホオジロに出会ったことはなく、どこかで越冬していた個体の北帰行の道す
がらなのだろう。かなりの珍鳥の確認となったが、仲間とシェアする前に短い観
察時間で飛び去ったきり、二度と姿を見ることが無かった。次の中継地へ向かっ
たのだろう。

ヒバリが囀りだした。
トビかなと思って見送った後ろ姿はチュウヒだった。
ソデグロヅルは畦際のペットボトルに興味を示した。

思いがけないユキホオジロとの一期一会、そんな雪晴れの午後だった。

【撮影データ】 16/Feb/15 六方田んぼ D7000+VR300F2.8