コウノトリの郷公園のモニター員が円山川河川敷で見つけ、研究者が現場に急 行しソデグロヅル幼鳥と識別された。世界で2千〜3千羽程度の生息数と言わ れているから、ちょうどコウノトリと同じくらいの希少種の飛来である。 シベリア北極海沿岸に繁殖地を持ち、冬は南下する渡り鳥。西と東の二つの個 体群があり、東部個体群の主要越冬地は揚子江中流のポーヤン湖である。ここ でもコウノトリとの共通点を見ることができる。中国越冬組の一部が日本へ迷 行してきて、希な観察記録としてひと騒ぎになる。マナヅル、ナベヅルの越冬 地である鹿児島県出水平野への飛来記録が多い。 その珍しいツルが豊岡盆地にやってきたのである。初見のソデグロヅル幼鳥は 見慣れているコウノトリより明らかに大きな鳥。羽色からみて、今年生まれの 幼鳥である。あいにくの強い雨の降る夕刻の撮影で、図鑑写真もしゃっきりし ない。 初めての鳥は距離感がつかめない。少し近づきすぎたようで、飛び立ってしま った。ソデグロヅルの特徴である、翼の先端部が黒いのがよくわかる。ゆっく り右旋回して六方田んぼから円山大橋に回って、再び同じ河川敷に着地した。 ダイサギと比べてこの大きさである。 翌日のお昼に、同じ現場で撮影することができた。前日より落ち着いてきた様 子で、増えてきた観察者に囲まれても大きな警戒を見せることはなかった。 このとき撮影したいくつかのカット。 ソデグロヅル幼鳥図鑑写真 採餌行動 爪は鉤状 後ろでカモが飛ぶ 正面顔 黒い初列風切は一番下にたたまれている 頭頸部の幼羽がめだつ さて、いつまでここにいてくれるだろうか。 【撮影データ】 22-23/Oct/14 豊岡市 D7000+VR300F2.8 |