台風8号が本州の南寄りを東進してゆく。進路から外れたこちらでは、風雨とも 大したことなく過ぎてゆく。雨が止んだ午後、思い立って海に出てみる。お目当 てのユウスゲが迎えてくれた。後ボケのユウスゲ。海は南風によって完全に制圧 されている感じで、波一つないベタ凪である。台風の日に予想外の海である。 もうひとつのお目当てを求めて砂浜に下りる。目星を付けた最初の流木を、足で ゴロンと転がす。いた!一発ビンゴ! ヒョウタンゴミムシ(右)と大型のクモ が並んで出てきた。 まずはヒョウタンゴミムシを激写。クワガタのような大きな顎が凛々しい。 フリーズを解くと途端に砂の中に潜ってしまう。丹後の海岸では見つかるヒョウ タンゴミムシは、但馬海岸ではほとんど観察されない。 さて、初めて見かける大型の海浜性のクモであるが、帰宅後の調べで名前を知る。 イソコモリグモだ。このクモの分布状況も、ヒョウタンゴミムシの事情と同じ感 じだ。丹後と鳥取では確認されるのに、間に挟まれた但馬海岸では見つかってい ないらしい。ストロボ光の反射で宇宙的な目になったイソコモリグモ。 魅惑的なクモに出会ったが、ヒョウタンゴミムシ同様、但馬の海でもぜひ出会い たい相手である。 上がりがけに、砂地に咲いたコオニユリにレンズを向ける。 【撮影データ】10/Jul/14 D7000+SP90MACRO,DX35mmF1.8,SIGMA10mmFE |