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7月の台風


ユウスゲ(ユリ科)
台風8号が本州の南寄りを東進してゆく。進路から外れたこちらでは、風雨とも
大したことなく過ぎてゆく。雨が止んだ午後、思い立って海に出てみる。お目当
てのユウスゲが迎えてくれた。後ボケのユウスゲ。海は南風によって完全に制圧
されている感じで、波一つないベタ凪である。台風の日に予想外の海である。

もうひとつのお目当てを求めて砂浜に下りる。目星を付けた最初の流木を、足で
ゴロンと転がす。いた!一発ビンゴ! ヒョウタンゴミムシ(右)と大型のクモ
が並んで出てきた。

まずはヒョウタンゴミムシを激写。クワガタのような大きな顎が凛々しい。
フリーズを解くと途端に砂の中に潜ってしまう。丹後の海岸では見つかるヒョウ
タンゴミムシは、但馬海岸ではほとんど観察されない。

さて、初めて見かける大型の海浜性のクモであるが、帰宅後の調べで名前を知る。
イソコモリグモだ。このクモの分布状況も、ヒョウタンゴミムシの事情と同じ感
じだ。丹後と鳥取では確認されるのに、間に挟まれた但馬海岸では見つかってい
ないらしい。ストロボ光の反射で宇宙的な目になったイソコモリグモ。
魅惑的なクモに出会ったが、ヒョウタンゴミムシ同様、但馬の海でもぜひ出会い
たい相手である。

上がりがけに、砂地に咲いたコオニユリにレンズを向ける。

【撮影データ】10/Jul/14 D7000+SP90MACRO,DX35mmF1.8,SIGMA10mmFE