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オオワシを見る


オオワシ (タカ目タカ科)
鳥取市内の湖山池に、毎年オオワシとオジロワシが越冬にやってくるという。
鳥仲間からオオワシの情報を得て、出雲への旅の道中に寄ってみた。ポイントに
到着すると、ちょうど飛んだ後だと教えられ、悔しい思いをする。

ミサゴが遠くで魚を捕まえた。魚種はフナのようだ。ミサゴは魚採りの名手であ
るが、ミサゴの獲物を横取しようと狙っている鳥が回りに沢山いる。別のミサゴ
が追いかけ、トビが追いかけ、ノスリが追いかけて、せっかくの獲物を盗られて
しまうこともしばしば。

オオワシが対岸の山の上を旋回している。初めて見るオオワシは、見慣れた他の
ワシとは桁違いに大きいのが、遠目にもわかる。ミサゴが魚をぶら下げて得意気
に低く旋回しているところへ、先ほど豆粒だったオオワシが急接近してきた。
白と黒のツートンがはっきり見え、太く黄色いくちばしもなんとか観察できる。

オオワシはミサゴに襲いかかり、ミサゴはたまらず獲物を離した。落下する魚を
空中キャッチするだけの急降下能力は無いらしい。オオワシに腹を向けるミサゴ。
魚が落水した場所をホバリングで確認したあと、オオワシは水面に向かってゆく。
キャッチ態勢に入り、悠々と魚を掴み上げた。(トップ写真)

午後からもう一度、同じシーンの観察のチャンスがあった。ミサゴの獲物をまず
トビが横取し、そのトビを脅してオオワシが横取したようだ。トビが落とした魚
を水上で拾い上げたオオワシ。対岸方向へ飛び去り、そこから旋回上昇を続けて
稜線の向こう側へ小さくなって行った。

長い待ち時間の間に、他に撮ったものといえばノスリホオジロガモ。
結局、近くに飛来せずじまいの、オオワシとの初めての出会いであった。

西に向かう途中、11年前の2003年1月に視察研修で訪ねた冬期湛水田に寄ってみ
る。当時と変わらぬ風景の中にコハクチョウがいた。この冬季湛水田に、豊岡盆
地の近未来を夢想した当時であったが、その願いが見事に叶えられた今がある。

夕暮れの米子水鳥公園を訪ねる。餌場からコハクチョウが次々に帰還してくる。
20数羽の群れが戻ってくる。
さらに大きな群れが戻ってくる。
次の大きな群れが戻ってくる。

やがてコハクチョウの鳴き交わしの声で溢れかえり、白いシルエットが米子の街
明かりを背景に色を落として行った。

【撮影データ】31/Jan/14 鳥取 D7000+VR300F2.8,VR18-200