濃い朝霧の盆地から林道をたどる。高度が上がるにつれて霧が晴れて、眼下には 雲海が広がった。 夏鳥の季節にはよく通った林道も、今日で走り納めになるだろう。紅葉はすっか り散り、ブナ林の白が山を明るく見せる。下斜面の木に目をやると、緑色っぽい 1羽の鳥がいた。カワラヒワかと思いながら双眼鏡を当てると、イスカのメスで ある。 この山域でイスカを見るのは初めてのことだ。レンズを向けると同時に、10羽 ほどのイスカの群れが上斜面に向かって飛んだ。車から下りて止まったあたりを チェック。イスカ♂の深紅が目に入った。 やがて群れは隣のスギの木に移って、スギの実を食べだした。イスカの餌は松ぼっ くりが主であるが他にもいろいろと食べていることを知る。 林道の北斜面の日陰は、残雪が凍結してアイスバーンになっており、冬タイヤに 交換する前の走行はかなり厳しいものがあった。危険箇所を何とかクリアして無 事山を下りることができた。 イスカのポイントにチェックに上がる。雑木林のイスカ♂、イスカ♀。警戒しな がらゆっくり木から下りてきて、ごく短時間で地面の水場で喉を潤してから飛び 去った。 マツの木に来たイスカ、松葉を爪楊枝のようにくわえたシーンが面白い。 トップ写真は松ぼっくりをくわえて懸垂したところ。 【撮影データ】05/Dec/13 D7000+VR300F2.8 |