氷ノ山のソウシチョウに会いに行った。これまで、間近に声は聞けても、まとも に写真を撮らせてくれなかった。観察時期が繁殖期と重なったこともあったのだ ろうが、笹薮からなかなか出てこようとしなかった。今回は8月後半の観察でチ ャンスを狙った。 標高900mオーバー、ブナ林ではソウシチョウの鳴き交わしの声があちこちか ら聞こえてくる。笹薮の中から、ブナの梢の中から、至近距離から、遠くから。 この時期、美しく囀る鳥は他にいないから、ソウシチョウの声は否が応でも耳に 残る。声だけから判断しても、生息密度は相当に高そうだ。※ソウシチョウの囀り FlashPlayerが使えない時 撮影チャンスが訪れないまま、しばらく登山道を上がる。ブナ林が切れるあたり で、突然頭上から複数のソウシチョウの警戒の声が降ってきた。※ソウシチョウの警戒の声 FlashPlayerが使えない時 頭上すぐ近くの枝でソウシチョウがこちらを威嚇するように鳴き続ける。ようや くレンズを向けることができた。しばらく腰を据えて、彼らの行動を観察する。 ブナの枝に顔を出したあと、笹薮に潜り込んで群れの気配が遠ざかった。しばら く待ってみると、群れは再び笹薮の中に姿を見せ、枝に飛び上がって囀りを見せ た。一定範囲のテリトリを持っていて、そのエリア内を群れで移動しながら行動 している様子だ。 登山道を下りながら、ソウシチョウのいくつかの群れと遭遇。撮影チャンスにも 恵まれた。以下、いくつかのカット。 真上に見上げる:喉は黄色、胸は橙色、尾羽はVカット 真っ赤なくちばし:おちょぼ口 バッタを捕まえた:足は肉色 ザトウムシを捕まえた チシマザサの上に顔を出す 背面ショット:赤と黄のツートンはいかにも中国っぽい 正面ショット:なかなか可愛らしい 横からショット:顔の白が目立つ 図鑑写真 おまけ:キビタキ♀(かな?) 生息環境はウグイスとバッティングしており、今回の観察でも、ウグイスの分が 悪いように思えた。今後、ウグイスが駆逐され、ソウシチョウの天国に成り果て てしまうのだろうか。私たちの生活は、すでにmade in Chinaで成り立っている が、日本の奥山までもが、中国の篭脱け鳥で占領されようとしている。 【撮影データ】18/Aug/13 D7000+VR300F2.8 |