絶滅危惧種ウスイロヒョウモンモドキの貴重な生息地として、ハチ高原はよく知 られている。その蝶をまだ一度も見たことが無かったので、虫屋のUさんに案内 してもらった。 生息地のアプローチのススキ野で、Uさんがさっそく1頭を見つけ声をあげた。 初見は小型のヒョウモンチョウといった外観だが、その飛び方は脱力感が漂い、 いかにも儚げである。ススキの中に落ちるように姿を消すと、オカトラノオの白 い花の蜜を吸っていた。 慎重に前被りを払いながら、マクロレンズで撮ったウスイロヒョウモンモドキ。 タテハチョウ科のこの蝶は、裏面の模様の美しさがよい。シブいステンドグラス のようだ。吸蜜が終わるとフワフワと力なく飛び立ち、やがてススキ野の彼方へ 消えて行った。 高原で目に付くのはもっぱら大型のヒョウモンチョウで、ノアザミに吸蜜にきて いたこの蝶はウラギンヒョウモン。裏面の模様が美しい。 高丸ピークから見た氷ノ山*。反対方向には鉢伏山*。 生息地とされる一帯では、結局ウスイロヒョウモンモドキとは1頭も出会えずじ まい。同じ道を下山する際に、登りで出会ったのとは別個体のウスイロヒョウモ ンモドキを見つけたが、撮影準備をしている間に飛び去ってしまった。今回の観 察タイミングは、本種の発生ピークには少し早かったのかも知れない。林道経由 でハチ北方面で観察を続け、この日のフィールドワークを終了。 【撮影データ】11/Jul/13 ハチ高原 D7000+TAMRON SP90MACRO,*SIGMA10mmFE |