イッシキキモンカミキリの発生時期が気になる。海辺の里山調査の帰路、ポイン トに寄ってみた。なんと、1本のクワに少なくとも3頭のイッシキキモンカミキ リの発生を確認した。昨シーズンは同じポイントで7月末に最盛期の観察してい るが、発生時期については分からないままだった。今回のチェックで、6月末に はイッシキキモンカミキリが発生していることが分かった。 午後から撮影機材を揃えて再び現場へ。車を止めると、足元に虹色の甲虫が飛ん できて止まった。付けていた望遠レンズで取り敢えずの証拠写真を押さえる。 マスダクロボシタマムシ。美しい小型のタマムシである。レンズ交換しているう ちに飛んで行ってしまった。 ヌルデではヨツキボシカミキリがまだ見られるが、一週間前にはたくさんいたオ ニグルミノキモンカミキリはまったく見つからなかった。このポイントでは発生 時期が終ってしまったのかも知れない。 イッシキキモンカミキリは1本のクワに集中して見られた。離れた別の1本では この1頭を確認したのみ。ここのところ、ヨツキボシカミキリ、オニグルミノキ モンカミキリと、体長1cm前後の小さなカミキリを見てきたが、イッシキキモ ンカミキリはそれらより一回り大きく、がっしりした体型をしている。黒地に印 象的な黄色の斑紋が鮮やかで、とても美しいカミキリだ。 午後の時間が経つにつれ、飛び回る本種の数が増えてきた。休憩していたものが 活動を再開したのか、新成虫がどんどん羽化しているのか。いずれにせよ、前週 には未発生だったポイントは、本種の発生初期を迎えている。 警戒の強いカミキリなので、高い葉上の個体を望遠レンズで狙う以外に適当な撮 影方法がない。今回の撮影カットのいくつか。 後ろから 横から 前から 2頭並び 葉脈を食べた跡 同じクワの木にキボシカミキリが1頭潜んでいた。 撤収時、止めた車の横のカラムシを覗いてみると、ラミーカミキリが1頭いた。 縦フレーム。横から。 イッシキキモンカミキリを初認した6月25日。50年も前に、このカミキリを 但馬で初めて採集した父の4回目の命日に当たっていたのを、そういえばと、帰 りの車の中で思い返していた。 【撮影データ】25/Jun/13 豊岡市 D7000+VR300F2.8 |