トップろっぽうフィールド日記>このページ

海辺の里山


コクロナガタマムシ(タマムシ科)
虫屋Uさんとの週1回のフィールドワーク、今回は海辺の里山調査に入った。
日本海に面した田結(たい)地区の堂山を時計回りに周回する。

急傾斜のスダジイ林を15分ほど登ると津居山沖の日本海*の展望が開ける。
日和山の「竜宮城」もここから望める。もう少し登ると広い台地となり、オニグ
ルミの木がたくさんある。葉裏にオニグルミノキモンカミキリを何頭か確認した。
こちらはマクロ撮影のオニグルミノキモンカミキリ**リンゴコフキハムシ**

あまり利用されていないようで、登山道は所々で荒れている。結構消耗しながら
標高230mの堂山山頂に到着。東側に展望があり、丹後の葛野浜から箱石海岸、
遠く依遅ヶ尾山、経ヶ岬まで見渡せる。ベンチで一休み。Uさんがミズキの花を
スイーピングしてヒメアシナガコガネトビイロカミキリを見せてくれる。

下山路の古い切り株でミヤマオビオオキノコをチェック。交尾中のものもいた。
フタモンウバタマコメツキが目立たない姿でじっとしていた。コメツキムシの仲
間では最大級。手のひらに乗せると「コキッ」と跳ねる感触もびっくりするほど
強い。

半分ほど下りたところに木製の展望台があり、気比の浜*が眼下に広がる。
全山に渡り、シカによる食害が著しい。林床はシカが食わないイワヒメワラビと
ダンドボロギクがパッチ状に群生しているだけで、ほとんどの植物は食いつくさ
れて裸地になっている。獣臭も強い。

カラスザンショウの幹にコクロナガタマムシ**が沢山いた。ぱっと見では黒い地
味なタマムシだが光が当たるとラメのように粒状の金属光沢がある。メスは赤っ
ぽい光沢で、オスは緑っぽい光沢であることに気づいた。

交尾中のコクロナガタマムシを多く見かけた。前からショットでは縦長の大きな
目がキュートである。積み木のベニカミキリを撮って、再びスダジイ、ヤブツバ
キの照葉樹林帯に入ると、急傾斜をジグザグに下って田結地区公民館の横に飛び
出た。田結湿地を入り口から少し見学して観察終了。

【撮影データ】25/Jun/13 豊岡市 D7000+DX35mmF1.8xGyoro8,*SIGMA10mmFE,
                **TAMRON SP90mmMACRO