朝から冷たい雨が降る。田んぼを巡回するも目ぼしい相手はいない。先週来、 ツグミが本当にたくさん入ってきており、あちこちで群れを作っている。 湾内にカンムリカイツブリが目立ち出した。この2羽は岸近くで潜水を繰返し ていたが、私の接近でゆっくり遠ざかっていった。目の前に突然ウミネコが現 われ、浮いていた魚をさらって行った。 山の様子も少し覗いてみる。週末の寒波で山は薄っすら冠雪した。スキー場は 人工雪の営業を始め、山はいよいよ冬モードに入った。 雨は一日降り続き、早い夕暮れが迫る。上がり際に田んぼを一巡すれば、前方 に長い首を上げた雁の群れを見つけた。私の初雁はこの6羽のヒシクイ(亜種 オオヒシクイ)となった。豊岡盆地へのヒシクイの飛来は2年ぶりのこと。 これまでの観察経験で、ヒシクイの群れは非常に警戒心が強いことを知ってい る。捕捉した後も慎重にアプローチしたつもりだったが、やはり100m以内 には近づけさせず、広域農道を越えて飛んでしまった。 降りたあたりに移動し、しばらく捜索を続けて見つけた。すっかり薄暗くなっ て撮影には光が足りない。十分な距離を保ったままNikon1に望遠レンズを付け て引き寄せたヒシクイ*。 欲を出してそろりと車を出すと、はやり飛び立ってしまった。6羽はそのまま 南へ飛び去り、あっという間に夕闇にまみれていった。 【撮影データ】17/Nov/12 D90,*Nikon1V1+VR300F2.8 |