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オオタカの夕食


オオタカ (タカ目タカ科)
ノビタキの移動がピークを迎えている。田んぼのあちこちで、小ぜわしく動き
回るノビタキの姿を見かける。六方川沿いを歩いて観察すれば、少し前から我
が家でも鳴き声が聞こえ出したジョウビタキ♀の姿を確認した。

2羽のメスが、民家の周りを争って飛び回っている。高いところから別の声が
聞こえて見上げるとジョウビタキ♂の姿があった。どうやら、このオスを巡っ
てメスが争っている様子だった。秋の気配が深まり、赤とんぼの数が一気に増
えてきた。赤とんぼを見上げるジョウビタキ♀。

西日で田んぼが赤く染まる頃、六方田んぼではオオタカ幼鳥が夕食の活動時間
に入っていた。電柱に止まるオオタカ。

電柱から飛び出したオオタカ、二番穂の田んぼに突っ込んだまま出てこない。
寄ってみると稲穂の陰で獲物を捕食中だった。そのまま観察を続けると、オオ
タカの面白い捕食行動を目撃することになった。

最初の獲物を食べ終わると、オオタカはそのまま地面を歩いたり、小走りで走っ
たりしながら、次の獲物を探し出した。畦に獲物の気配を感じたオオタカはブッ
シュの中を慎重に探り、タイミングを見計らって突っ込んだ。

ブッシュから出てきて畝の間で獲物を食べ始めた。遠いのと見通しが悪いのと
で、獲物が何であるのか判然としない。ようやく獲物をくわえたシーンでシャッ
ターを切るが、灰色の獲物の正体はハタネズミだったように思うが確定できな
い。獲物を捕食するオオタカが見せる眼光は幼鳥ながら鋭い。
肉で口を赤く染めたオオタカ。

毎年9月にはオオタカの当年生まれの幼鳥が六方田んぼに姿を現す。今年は少
し登場が遅かったが、盆地周辺の里山でオオタカの繁殖が続いていることを思
う。狩の技術を磨きながら、一人前の猛禽に育ってゆく。2匹目の獲物を食べ
終わると、膨らんだ喉を夕陽に染めながら飛び出して行った。(トップ写真)

【撮影データ】20/Oct/12 豊岡盆地 D90+VR300F2.8